群馬県の草津町には、世にも奇妙で神秘的な滝があることをご存知だろうか?
一度見たら脳裏から離れない程強烈なインパクトを与えてくれること間違い無しだ。草津の温泉街からさほど離れていない山奥にその滝はある。
草津に隠された裏名所
草津と言えば、温泉。
日本三名泉にも数えられる程有名な草津だがそれだけではない。訪れた者の目を奪う程、美しく妖艶な秘瀑があるのである。
その名も嫗仙の滝(おうせんのたき)。
滝にぽっかりと開いた大きな二つの穴、赤茶色に染まった岩肌、丸みを帯びて流れ落ちる水流・・・。これ程まで突飛な滝を僕は他に知らない。
今回は僕が今まで見た中で最も美しい嫗仙の滝をご紹介したいと思う。
机上調査で感じたのは「不気味」
嫗仙の滝を知ったのはちょうど滝に興味を持ち始めていた時期だった。千葉の魔滝や田代滝と言った滝を見て、滝の魅力に憑り付かれ始めていた。そして関東の滝を調べている内に異色を放つ滝を見つけたのだ。
「嫗仙の滝」
なんじゃこりゃ・・・。
写真で見た時の印象は「不気味」。それと同時にこの珍し過ぎる滝へ強い興味を持ち始めていたのも事実。
「行ってこの目で確かめてみよう」
レッツゴーグンマー
駐車場から怪しげな雰囲気
家を夜中に出発し、下道で群馬へと向かい、まずは嫗仙の滝駐車場に車を停める。
・・・なんだか怪しげな雰囲気だな、オイ・・・。
すぐ近くに〇〇〇会の研修道場があるのも要因かもしれないな。駐車場は広々していて人もほとんど来ない為ゆとりを持って駐車が可能だ。渓流装備に着替えていざしゅっぱーつ!
駐車場には案内板が設置されている。図のように遊歩道が整備されているので、迷う事も無く楽に滝まで辿り着けそうだ。
ヤツ出没の危険
一点注意して頂きたいのが熊が出没する可能性があるということである。
嫗仙の滝には数回訪れていて、僕自身がここで遭遇したことは今のところ無い。だがそれはたまたまの話だ。念の為熊避けの鈴や複数人で話しながら歩く、一人の場合でも独り言を言いながら歩くなどをして熊対策をしておく方が身の為だ。
(ちなみに熊とは一度富士山二合目の林道で遭遇したことがあります・・・)
お手軽ハイキング
入口にストックが置かれていて、歩く際重宝するのでお借りすることをオススメする。何故なら行きは下りなので楽だが、帰りは登りなのでちょっと辛いからだ。
実際一番最初にここを訪れた時、帰りのことを考えていなかった為、ヒィコラ言いながら坂を登った記憶がある。
行きは特に進みづらいということも無いのでサクサク歩いて行ける。
おおっ!木々の隙間から滝が見えるぞ!
これは滝の前に立つのが楽しみで仕方なくなってきた!先を急ぎます。
遊歩道は途中濡れている所などもある為、滑らないよう注意しながら歩く。
木製の階段まで備わってるなんて・・・。
普段道すら無いような秘境ばかり歩いていた僕にとっては、至れり尽くせりと言った感じである。
秘境の中でも手が出しやすい、初心者向けのスポットと言えるだろう。
そして・・・
絶景秘瀑
「・・・・・美しい・・・・・」
沢に降り立ち滝を前にした時、僕が感じた印象。
血のように真っ赤な岩肌、叫んでいるかのように開いた2つの穴、幾本も流れ落ちる水流・・・。
どこから見ても絵にならないところは無いというくらい感動的な滝。
写真で見るよりずっと大きく、ずっと優美で、ずっと神秘的に見えました。
真っ赤な岩肌は上流にかつて硫黄の精練工場があり、破片を源流一帯に埋めていた時期があったらしく、その影響ではないかと言われている。
嫗仙、とは老婆の仙人
嫗仙という名前にはちゃんと意味があり、「嫗」は老婆、「仙」は仙人。
つまり流れる滝の流水が老婆の仙人の白髪のようにも見えるので、そう名付けれらたようだ。
数十万年前に出来た古代のアート
嫗仙の滝は50万年~60万年前に草津白根山が噴火した際、火砕流が発生し溶結凝灰岩が堆積し出来た滝である。
まさに自然が作り出した古代のアートと言えるだろう。
三脚を置いて自撮りしてみた。
残念ながらこの滝は「日本の滝百選」には含まれていないのだが、個人的には百選に選ばれても全くおかしくない魅力的な滝だと思う。
ちなみに群馬県草津町には、常布の滝という、日本の滝百選でありながら到達難易度が険し過ぎて、完全なガチの秘瀑になっている滝がある。道のりは兎に角エグイ。目に出来る滝風景は開いた口が塞がらないくらい絶景なので、レポートをご覧頂きたい。
ちょっと滝の真下まで
さて、滝の直下まで近づいてみましょうか。
ずぶ濡れ
一見サラサラと流れ落ちる滝に思えるが、近づくにつれ飛沫が強烈になり、土砂降りの雨かと思うほどずぶ濡れになってしまう。
一眼レフを持って直下まで行くと確実にカメラがぶっ壊れるので、耐海水機能まで持った究極のスマホ、トルクG-03で撮影。トルクは海水に沈めても壊れない強靭なスマホなんですぜ。
直下まで来ました。スマホのカメラレンズが飛沫で濡れて霞んだ写真になってしまっている。それくらい凄まじい水飛沫だったのだ。
直上へ向けて撮影。水飛沫で霞んでいまっているが大きく開いた穴は本当に奇妙だ。
落差は35m、とはなっているのだが真下だと異常な迫力があり、もっとあるのではないかと錯覚してしまう程である。
滝の左側の岩肌は黒味がかっており、赤い岩肌と対照的で非常にユニーク。かなりマイナーな場所であるからかほとんど人は来ないので、じっくりと堪能することが出来ました。
摩訶不思議な嫗仙の滝、草津へ立ち寄った際は是非見に行ってみてはいかがだろうか。
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良ければ愛車と写真撮影する際の参考にして下さい。
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観光地についてもそれなりに行っていますので是非見てみて下さい。