【東京都】【秘境】砕石場を走れる林道!?林道大岳線をアウディTTで探索せよ!

【東京都】【秘境】砕石場を走れる林道!?林道大岳線をアウディTTで探索せよ!
 

「この先、砕石場につき立入禁止」

 

・・・という図式は誰もが認識している一般常識である。

 

荒涼としていて日本離れした景観はビビッと来る人も多く、「叶うものなら愛車と撮影してみたい」と考える人は少なくないはずだ。

 

しかし実際は、砕石場内はおろか、敷地横も近付けなかったり、近付けても樹木や柵等で全く景観を見ることが出来ない・・・というケースがずば抜けて多く、夢の入口にすら立てないというのが実情で、泣く泣く諦める人もまた、少なくないだろう。

 

そんなマニアの夢を叶えてくれる、絶景スポットが実は東京都に眠っていたことをご存知だろうか?

 

林道大岳おおだけ

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

東京都あきる野市を通る東京都道201号線から分岐する道に林道大岳おおだけがある。

 

路線だけ見れば距離約2.7kmで大岳鍾乳洞、キャンプ場、大滝と観光地を繋ぐだけの普遍的なドンツキ林道に思えるのだが、航空写真を見れば道の真横に開け広がった岩の斜面がチラ見えしており「ただならぬ雰囲気」が漂っていることを察することになる。

 

そう、驚くこと無かれ、林道が砕石場の敷地を横断しているのだ。砕石場の名前は株式会社エコワスあきる野大岳工場。剥土はくど起砕きさい積込つみこみ運搬うんぱん破砕はさい選別せんべつ出荷しゅっかを主な業務としている。

 

奥の観光地に辿り着く為には砕石場を通ることとなる為、一般的には禁止とされる砕石場合法的通過することが出来るという素敵スポットということになる。

 

少し前に奥多摩地域を航空写真で下見していた際に「!!!」となった場所。さて、今回はどんな風景が見られるのだろうか。ナビゲーターの不知火がお供致します。

 

首都、東京

「ほんとに東京都なんですか??」疑問符が絶えない都道

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地。

 

東京都あきる野市養沢付近が今回のスタート地点だ。

 

「都道」と聞くと超高層ビルが立ち並ぶ摩天楼に囲まれた「ザ・大都会」をイメージしてしまうが、こちらは思わず「ほんとに都道なんですか?」と疑問符を投げ掛けたくなる、およそ天下の都道とは思えない程の田舎道だが、れっきとした東京都道201号十里木じゅうりぎ御嶽みたけ停車場ていしゃばである。

 

なんとなくだが、「停車場」と付く都道府県道はかなりの僻地だと感じている。

 

奥多摩地区には有名な日原鍾乳洞や大岳鍾乳洞、三ツ合鍾乳洞と3つの鍾乳洞がある。

 

今のところ日原しか行ったことは無いが、とんでも無い地底空間が広がっていて呆気に取られたのを覚えている。

 

他にも合法的に一部敷地に入れる石灰工場や、廃集落、廃墟があったりとなかなかに目玉が多いのが奥多摩だ。

 

そんなこんなで都道を走っていると、

 

「こんにちは、バスさん」

 

隘路の奥からいらっしゃったのは西東京バス。

 

忘れない為にも都道標を貼っておく。東京都道201号十里木御嶽停車場線である。

 

毎日運行するプロのバスドライバーが「いける」と踏んだのだろう。グイグイと前進してくる。

 

規格はマイクロながら、こんな山奥の先が行き止まりの都道でもしっかりバスが運行されている辺り東京都味を感じる。

 

ちなみにこのバスは先にある上養沢バス停から武蔵五日市いつかいち駅までか、秋川渓谷瀬音せおとの湯経由で武蔵五日市駅まで行くかの2択の経路になる。

 

不知火も負けじと(?)バックにギアを入れ、後退する。

 

仕事で運転されている方と、趣味で来ている傾奇者かぶきもの。どちらが下がるべきかは明白だ。

 

バスドライバーが「ヤエー」して、脇を通過し、業務を遂行されて行った。おつかれさまです。

 

朝8時を過ぎながらも通勤ラッシュとは無縁の快走路を流しながら走る。

 

首都圏にお住まいで車通勤する方なら嫌と言う程存じ上げていると思うが、道路が混み始めるのはおよそ早朝5時付近からで、8時ともなれば阿鼻叫喚の地獄絵図が待ち受けている。

 

不知火も船橋市住みなので、出掛ける際はその時間、近辺を避けるようにしているが、日中にホームセンターをハシゴするときは朝イチから動かないとお店が閉まるので、そういうときは裏道か農道を使うようにしている。「首都圏の渋滞通勤ラッシュを味わいたい」とかいう人はまずいないと思うが、「10キロ1時間?行けます!」くらいの余程忍耐力がある変態でも無い限り、安易な気持ちで突撃するのは止めた方がいい。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

そんなこんなで現在地。いつの間にか林道大岳線の入口に到着している。

 

ここで道は二手に分かれ、直進すれば都道201号線、左折すれば目的地がある林道大岳線方面だ。

 

余談だが、直進は直進で、(極短だが)ダート都道201号線が味わえるので、道路マニアな方は寄り道しても良いかもしれない。

・・・その余談となるダート都道、もとい東京都道201号十里木御嶽停車場線がこちらだ。

 

都道標が無いのが悔やまれるが、それでも地図で見ればここが天下の都道様だということが明白。

 

ここから先は見ての通り通行止で遊歩道となっており、車にとっては廃道。

 

落石注意の看板にもしっかり「東京都」と刻まれているのがマニア心をくすぐり、歓喜せずにはいられない。

 

砕石場の帰り道、覚えていたら寄ってみては如何だろうか。

 

ターマック舗装・・・からのダート未舗装

ゴゴゴゴゴ・・・・・という効果音が聞こえてきそうな先行き。

 

ラスボスが奥で待ち構えていても不思議では無い程の陰鬱さだ。

 

だが、すぐに明るい林間垣間かいま見える。

 

所々車体がバンプする荒れた路面も見受けられるが、概ね綺麗なターマックの部類に入るだろう。

 

特筆すべきことが無いということは、特筆すべきことが無いということです。

 

などと進次郎構文を使いたくなるほどにコメントが思い付かない光景。

 

やたらと広い左側空間。

 

普通車の待避所にしては広すぎる為、恐らく大型車同士が離合する為の待避所だろう。

 

この道を行き交う車両は10t近い砕石を運搬する大型ダンプが主流と考えられるので、全長7m超え、全幅2.4m超えともなるとこれくらい大きく道路を広げておかなければ立ち行かないのだと想像出来る。

 

道路の左手に小さく見えるのは渓流。

 

東京都=東京湾=水がドブ、というイメージが世間一般的には定着していると思うが、奥多摩に行けば全くの真逆で、美しく透き通った清流揺蕩たゆたう流れている。

 

余談だが水のみならず、東京都は空気に関しても「汚い」イメージが強いと思う。不知火が学生時代に住んでいた北海道江別市で、当時学研の教材「大気汚染濃度測定キット」を使って調べてみた。これは空気の汚れを示すNOx(窒素酸化物)の濃度を測定する付録だ。すると「とても綺麗」に該当する0.1。近隣で測っても結果は同じ。子供心に「つまんなーい(環境的には良いことなんだけど)」と思ったがその後、生まれ故郷の東京都北区へ行く機会があった。母親に「空気が汚いところに行きたい」と伝えると案内されたのが東京都道318号環状七号線、通称環七。東京都23区住みの方なら言わずもがな、北海道ではおよそ見たことも無い程夥しい交通量だったことを覚えている。そこで測定キットを設置してみるとなんと「かなり汚い」な0.4。付録のMAXは0.6だったので天下の都道もそこに及ばずではあるが、ド田舎の民だった不知火は興奮した(環境的には良くないことなんだけど)。その学研の書籍に東京23区と奥多摩町の比較写真とNOxが掲載されていてそれぞれNOxは0.6と0.1だったのだ。全国45番目に面積が小さく、岐阜県高山市よりも小さい東京都でも都市と田舎でここまで違うのだということを痛感した。

 

仮に対向車が普通車なら、なんとか離合を仕掛けられる幅員。

 

大型車が来たなら・・・無論鬼バック確定だ。

 

おおっ!これが砕石場か!!!

 

・・・と思ったら事前に見ていた景色となんか違う。どうやら砕石場のエントランス、事務所兼従業員の駐車場のようだ。

 

目的の物件まではまだ少し先になる。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地。

 

先、と言っても優良物件は目と鼻の先だ。

 

ダートじゃないですか・・・。

 

香ばしい路面。東京都では貴重な(?)ダート路面がお出まし。

 

加えて未舗装とは思えないほどフラットで、相棒TTでもかなり走りやすい部類となるだろう。

 

この路面のフラットさに加え、ストレート・・・。

 

思わずベタ踏みして土煙を巻き上げたくなります(やりません)。

 

大型車が通行しているなら路面の荒れ具合も凄そうな感じはするが、なんてことは無い、綺麗で走りやすいダートだ。

 

このカーブを曲がればついに桃源郷(不知火にとっての)・・・。

 

気持ちが高揚し、今か今かとその時を臨む。

 

そしてついに、捕獲する。

 

シェッド!コンベア!

 

ああ、そうだ、不知火はこの風景を待ち望んていたのだよ・・・(CV:福山潤)

 

異世界現世

退廃と荒涼と静寂と重厚のカルテット

荒々しいダート、立ち聳えるシェッド、錆び付いたコンベア・・・。

 

もはや現世にして異世界。「東京都」という概念を払拭し、上書きするには充分過ぎる程の要素が目の前に広がっていたのである。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

地図にすると現在地はこの辺になる。

 

目の前に白米を出されたら、風景をおかずにモリモリ食べる自信がある。

 

シェッドの終点とホッパー、目算4F建ての小屋を経てコンベアと続き、またホッパーという構造なのだろう。

 

砕石場の工程で考えると、剥土、起砕、積込・運搬までされた砕石がダンプカーかショベルカーによって上部のホッパーへと投入され、ここで破砕・選別及び出荷が行われると考えられる。

 

色落ちの甚だしく乱雑に貼り付けられたトタン板で構造物が覆われている。

 

内部の骨組みさえ堅牢ならば外部装飾など何でも良いのだろうな。砂利は雨風に晒されて品質が劣化するような代物でも無いし、簡易に留めているのだ、と思う。

 

そして林道大岳線のサブターゲットとも言うべきブツ・・・シェッドを観察しよう。

 

単なるシェッドならスノーシェッドやロックシェッドで都外の林道にゴマンとあるが、砕石場をブチ抜いていて路面がダートというのが不知火的にポイント高い。

 

加えて写真では分かり辛いがシェッドの天井は植物が繁茂しており、もはやプランターとなっている。

 

落石防護工

 

それがこのシェッドに与えられた名前なのだ。

 

銘板に書かれている「大岳礦業こうぎょう株式会社」は調べても出て来なかったが、恐らくはエコワスの前身企業なのだろうと推測する。エコワスの創業が1975年10月で、設立が1980年9月なことを考えると1980年11月という竣工は時期的にも合致する。

 

また、使用鋼材のSS41とSM50Aについても調べてみた。SS41の正式名称は一般構造用圧延鋼材で、現在はSS400という名称が一般的。これは安価で汎用性が高いことからボルト、柱、梁といった大部分に使われていると思われる。次にSM50Aの正式名称は溶接構造用圧延鋼材で、炭素量と不純物の含有量が厳しく管理されていることから溶接で割れにくく、信頼性が高いようだが、最後についているAというアルファベットはシャルピー吸収エネルギーを示している。これは外部から衝撃を受けた際に鋼材が吸収することの出来る「ねばり(材質の靭性)」を表し、低い順にA・B・Cの3段階であることからAは最も靭性は低いことになる。

 

ちなみに製作所が神戸製鋼所となっていることから、近くの檜原村にある神戸かのとの地名と同じ感じなので東京都にある会社かと思っていたが、実はストレートに兵庫県神戸こうべ市の方の会社で、よく建設機械で見掛けるKOBELCOと同会社だった。

 

一旦徒歩にて内部をヘルスチェックする。

 

ややスロープ(勾配)の付いたダート。加えて左に緩くカーブしている。

 

カーブミラーが付いているのでブラインドでは無いし、幅員もパッと見4mあるが、路肩が盛り上がっているところを見ると車幅が2m近い車同士の離合は難しそうだ。

 

すぐに終点が見えてくる。

 

シェッドと聞くと混凝土が大半を占めるイメージだが、ここは鋼材が多く、混凝土コンクリートは少なめで、山側の始点と終点の坑口に一部用いられているだけのようだ。

 

冒険心をくすぐられるシェッド

相棒TTに乗り込もう。

 

実際にTTで入坑してみる。

 

今更林道標を載せる必要もさほど無いと思うが、林道大岳線である。

 

ダート!カーブ!スロープ!

 

登りのダートとはいえ、FFのTTでも特に問題無くズイズイ進めるフラット路面。あっという間に通過出来てしまうが、冒険してる雰囲気がジワジワ滲み出てる。

 

繰り返しになるが、ここは林道大岳線である。

 

シェッドの終点に呆気なく辿り着く。

 

左を見ると先程見えた小屋からコンベアに続く場所のホッパー、つまり砕石投入口が見えた。

 

ダンプカーがバックで荷台から投入するか、ショベルカーのバケットから投入するのだろう。

 

くだんのホッパーがこちらになる。

 

路面とホッパーまでが結構ギリギリになることから、ショベルカーでの投入がベターだろうか。

 

ダンプカーであれば確実に誘導が必須だ。でないと後輪が落ちてしまって脱出不可能だろうからな・・・。

 

シェッドを抜けると道は二手に分かれる。

 

直進すれば林道大岳線、大岳鍾乳洞方面、右折すれば砕石場方面。

 

本編は砕石場である為鍾乳洞はスルー、右折の砕石場に関しては行き止まりとなっていた。

 

この辺が折り返し地点となるだろう。

 

退廃と新緑と

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地。林道大岳線はまだ続くが、砕石場としては終点になる。

 

本編は砕石場の物語なので、林道走行としてはここまでだ。

 

転回。

 

右手は工具置き場のある小屋、左手は今しがた通って来たシェッドだ。

 

見目麗しい新緑退廃した鉱山施設が対照的でゾクゾクする。

 

開山して軽く40年は経っている計算だが、今尚現役だということもまた、事実なのである。

 

小屋、もとい資材置き場を見てみる。

 

一見すると煩雑に置かれているようだが、整頓されているようにも思える。掛け時計の時間が合っていることもまた証拠だ。

 

流石に用途迄は分からないものが多いが、奥の扉、あれはそのままホッパーへとアクセス出来るように作られていそうだな。

 

古い機械を見ると考察したくなるのは性分と言えよう。

 

調べたところ、日立産機システム、11P-9.5VP6圧縮開閉式ベビーコンプレッサー。

 

ベビーコンプレッサー、通称BEBICONベビコンは圧縮開閉式と自動アンローダ式の2種類が存在するが、これは圧縮開閉式のフラッグシップ、つまりこのクラスでは最上位モデルに該当するようだ。給油式で空冷、ここで言う「給油」はガソリンのことでは無く、専用オイルを継ぎ足すということになるらしい。始動方式は直入じかいれといい、別名を全電圧方式、要はこのベビコンは電気で動いて、空気で冷やすということだ。

 

圧縮空気を送り出す機械になるが、ベビーと名の付くことからも分かる通り、出力は比較的小さめで、軽作業に用いられるらしい。考えられることとしては、ホッパー付近に溜まった砂利を風圧でホッパーへと押し出したり、粉塵を掃除したりということだろうか。

 

赤褐色に色付き曲がりくねった赤龍もとい落石防護工シェッド

 

脇に寄っている為、残りの幅員は軽く3mはあり、対向車が来ても問題無く通ることが出来るはずだ。・・・状況判断に10秒掛かるような下手くそドライバーは別だが。

 

管理人:不知火

下り勾配のシェッドを走り抜ける。

 

それにしても綺麗な路面だ。バンプも少なくスイスイ快適な洞内と言えるか。

 

すぐさま外界が見えて来る。

 

・・・そういえば、まだあのシーンが出て来ていませんね・・・。

 

遅くなりました、秘境捕獲物語管理人、不知火です。

 

一眼レフを片手に軽快なステップで走って来る。

 

無論どのアングルが良いか、撮っては動かし、撮っては動かしの繰り返しでベストポジションを漁っているに他ならない。

 

東京都とは思えない、絶景スポットの宝庫だぜ・・・。

 

さて、本日の不知火も回収したところで、終盤の写真に移るとしよう。

 

圧倒的、非日常

急峻な斜面、腐食した機械、一面の未舗装・・・。

 

砕石場×車、それがここに顕現されていた。途方も無いくらいに非日常を噛み締めているが、まごう事無き日常。

 

くどいくらいに書かせてもらうが、ここは首都、東京都にある風景なのである。

 

奥を見やるとホッパーとコンベアがまるで首を伸ばすキリンのように並んでいた。

 

右のホッパーに砕石を投入し、破砕・選別、またコンベアで次のホッパーに投入され、破砕・選別、コンベアで地面に・・・という流れなのだろう。ホッパーが小さいので、大きな砕石は投入出来ないにせよ、ある程度の作業はここで担うことが出来そうだ。

 

一体幾つあるんだ、ホッパーとコンベア・・・。

 

もう何回この単語達を列記したか忘れたな。外観だけで判断出来る個数だと、ホッパー7機、コンベアも7機あった。

 

中央右の赤褐色の四角がホッパーで、そこに砕石を投入するとカッターで破砕され、右に伸びるコンベアが下から上に運び、繋がるホッパーから細かくなった砕石がカッターを通り、またコンベアを通って・・・という流れだと考えられる。

 

ホッパーとコンベアに隠れて見えなかったが、奥にブルドーザーが置かれていた。

 

リアには株式会社名である「ECOWASエコワス」と書いてあるが、ブランドはKOMATSUとなっていた。KOBELCOと並び、知らない人はいない程有名な建設機械メーカーだ。

 

あれどうやって重機登るんだろ・・・。

 

上を見上げるとおよそ車輪はお祓い箱になるだろうなという程急峻な斜面が、いた。角度にして目算で45°はありそうだ。

 

よくよーく斜面を見ると、内輪差が無く、トレッドも独特。つまり車輪では無く、無限軌道、キャタピラーが通った跡だということが分かる。

 

深く掘り抜かれた谷底には僅かな水が溜まっている。鉱滓こうさいダムだろうか。

 

鉱滓ダムとは選鉱や製錬の工程で発生したスラグ(鉱滓)を水分と固形物に分離させる為に設けられる設備だ。ただ、ここには見える範囲でシックナーは無い為選鉱はしてないだろうし、煙突も無いから製錬もしていないはず。いずれにせよ何らかの要因で発生した液体を意図的に投入するか、或いは自然発生的に溜まった水を抜いてどこかに移動させるかの場所だと思う。

 

水底に見えるのは恐らく揚水ポンプ。写真では小さすぎて見えないが、谷の中腹くらいに水が溜まり流れていて、山肌から水が染み出しているようだ。揚水ポンプで溜まった水を汲み上げ、ホースで移動させているのかもしれない。軽く高低差20mはあるだろうし、それを考えるとポンプの揚力とんでもないな。

 

もう一つ鉱滓ダムと思しき池がある。こちらはシェッドの真横にあり、見て分かる通り水位は先程の池とは雲泥の差だ。

 

水位だけでは無く、色も大きく異なっている。色調が緑なのは一緒だが、さっきのは透明度があったのに対して、こちらは皆無。

 

流れも無いのに澱んでいるのは金属成分に寄るものか。ゲリラ豪雨直後の美瑛の青い池に行ったときもこんな色をしていたので、もしかしたら水酸化アルミニウムが成分になっているのかもしれないな。

 

こちらにも揚水ポンプがある。四方をドラム缶で囲っているのは浮力でポンプを浮かす為だろう。

 

目視でホースが2本確認出来るから、池に水を入れる為の排水ホースと池から吸い上げて別の場所に移す給水ホースと思われる。

 

2箇所の鉱滓ダム(仮称)を揚水ポンプを通じて水位を調整しているのか、はたまたどこかに移動させるのか・・・。真偽は不明だが、色々と考察することが多く、とても面白い物件だったな。

 

終わりに

東京都、ということを除いても破壊力抜群な眺めが幾つも眠っている林道大岳線。

 

関東圏に住んでいればお手軽に楽しめるのもポイントが高く、日帰りドライブの候補地に容易に挙がるのでは無かろうか。

 

この日は重機が稼働して居なかったので、のんびり撮影することが出来たが、重機が往来しているときはくれぐれも現場の方に迷惑を掛けないように注意して、謳歌してもらえればと思う次第である。


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