「前を走ってた車がいきなり左折した」
「自転車の動きが予測出来ない」
「あの人横断歩道渡ってくるかな?」
ドライバーの皆さんもこんな経験を嫌と言うほどしているはずです。
自分以外の移動物の動きって予測出来なくて、いつも唐突に行動するって思ったりしてませんか?
実はそういうとき、動きを事前に予測し先読みする秘訣があるんです。
今回は、車、自転車、歩行者を予測して安全に運転出来るとっておきの方法を伝授します。
少しコツと練習が必要ですが、慣れてしまえば思いの外簡単ですよ。
予測する為の大原則
まず、基本的に自転車や歩行者は、人の姿を運転席から目視することが出来ます。
そして、自転車、歩行者は必ず移動する方向に首や身体を向けます。
普通に考えて、歩くとき後ろを見ながら前を歩く人はいませんよね?
自転車も、少しの間横を向くことはあっても、ずっと前方から目を反らして走行するのはまずいないはずです。
これが実はポイント、というより核心です。その移動物の動作に着目することで、おおよそ次に行う動作を予測することが出来るんです。
「でも車はドライバーの姿がほとんど見えないよ?」
確かにそうです。ですが、例え姿が見えずとも、次の動作を見抜く手段はあります。
車、自転車、歩行者に分けて詳しく解説していきます。
車の動きを予測する方法
「急に曲がる」は高確率で「道迷い」
車は外から見れば大きな金属の塊ですが、必ず意志を持つドライバー、つまりは人が運転しています。
となるとそのドライバーの動き=考えというのも読み取れてしまうのです。
例えば「急に車が左折する」という事象をよく考えてみましょう。
それは本当に急に、でしょうか?
多くの場合、直前に幾つかの予備動作を行っているか「曲がりたい」というサインを出しているんです。それに気付けるか気付けないかによって、運転における安全性は大きく変わってきます。
はじめて走る道、久しぶりに走る道、複雑で慣れていない道、というのは誰しも緊張します。
前を走っている車がブレーキを何度か踏んだり、エンジンブレーキで減速しているようなら要注意です。
曲がり角に差し掛かったタイミングで急にウインカー無しで曲がる可能性があります。
これは目的地に向かう為、曲がる場所を必死に探していて、やっと見つけて焦って曲がってしまうんですね。
なので後続車からしてみるとウインカーも無しでいきなり曲がったように見えてしまう訳です。
交差点に限らず、道路に面している飲食店、デパート、コンビニ等の近くで減速したり加速したりするようなら、「曲がるかも」と疑った方が良いです。
寄ってくるなら進路変更
また、急に車線変更してくる車についてもポイントがありますね。
それまでラインを外さず走っていた前の車が、急に左右どちらか、車線がある方へ寄っていくことがあります。
多くの場合、これが車線変更するときの兆候です。
その1秒か2秒くらいするとウインカーと出して車線変更してきます。たまに出さない車もいますが・・・。
脇道から出るか出ないか手っ取り早い判断方法
もう1つ例を挙げましょう。
あなたは優先道路を走っていて交差点に近付きました。見ると左方に一台脇から出ようとしている車があります。
基本的に優先道路を走っているあなたが優先なので止まる必要もありませんが、それでも万が一ということもあります。
さて、こうしたとき真っ先にどこを見たら脇の車が出て来るか来ないか分かるでしょうか?
ドライバー?車体?いいえ、ホイールです。
当たり前ですが、車はタイヤがついているのでタイヤが転がらない限り動くことはありません。ロック時のスリップは除いて。
ドライバーがこちらを見ているように思えても、実はあなたに気付いていなくて、僅かにアクセルを踏んでいるかもしれません。
そんなことあるの?と思うかもしれませんが、何度か経験しています。
信号の無い交差点なんかは曲がり角の塀が高く、かなり前に進まないと見えないことも多々あります。
気付いていない、というよりは見えなくて気付けないという場合ですね。
そういった場合、ホイールが回転しているかしていないかで見ることで、進む危険性があるか無いか一発で判断出来ます。
勿論、今は動いてなくても、一瞬先に動き出すこともあるので、補助的にドライバーの様子も伺い、気付いているかいないか、アイコンタクトすることも忘れないでください。
ちょっとしたポイントさえ見落とさなければ、案外簡単に次の行動を予測することは可能なんですよ。
視界の悪い車で周囲を把握するコツ
余談ですが、乗っている車が僕のTTみたく車高が低く、視界も悪いスポーツカーだと、周囲の状況を把握するのは結構大変です。
信号を見ようにも前の車が邪魔で見えなかったり、進行方向の車線が渋滞しているのかしていないのか分からなかったり、色々あります。
こんなときはある方法を使います。
それは前を走っている車のガラス越しに前の状況を把握するのです。
これをするだけで、かなり多くの情報を得ることが出来、事前に対策を立てられます。
3台前の車がブレーキを踏み、2台前の車もブレーキを踏んで減速していれば、赤信号かなと予測出来ます。
割と簡単で一見どうということは無いように思えますが、周りの車を見ていると、如何に前走車しか見ていないか分かります。
そういうドライバーは防衛運転なんて到底出来ませんし、危険を予測するということも苦手としているでしょう。
こちらの記事で詳しく取り上げています。
自転車の動きを予測する方法
自転車こそドライバー最大の脅威
正直なところ、車、自転車、歩行者の中で最も厄介な存在が自転車です。
あなたも経験がお有りでしょうが、彼らの機動力は生半可ではありません。
少しでも左側に隙間があれば、音も無くスーっと脇をすり抜け、ドライバーをヒヤリとさせます。
サイドミラーをちょくちょく見る癖のある方なら、さほど脅威になりませんが、殆ど、あるいは全く見ない方からすると、本当にいきなり現れるように感じるでしょう。
さてこの自転車、きちんと動きを読むか読まないかで運転しているときの安全性が大きく変わってきます。
観察すべきは首の動きと身体の動き
例として、自転車が軽車両通行可能な歩道を走行していて、横断歩道に近付いてきたとしましょう。
自転車は少しだけ方向を変えるときだと、歩行者のように身体の向きを変えず、ハンドルを動かすだけですが、大きく動かす動作が必要なときは、上半身が動きます。
必ず動くのが首です。首を曲がる方へ向けて渡れるか判断します。
加えて右左折のようにかなり大きく曲がらなくてはならない場合、車体を曲がる方と逆に振るという動作が多いです。
よく拙いドライバーが左折するとき一旦右側に膨らむアレに近いですね。
この動作を見極めることが出来れば、横断歩道を自転車が渡ってくるか来ないか楽に判断出来ます。
大事なのは首と車体を振る動作をするか、です。
歩行者の動きを予測する方法
歩行者は一番簡単?
ぶっちゃけ歩行者が一番簡単です。
何故なら下半身、上半身共に移動する方向へ向くし動くからです。よほどひねくれた人で無い限り、カニ歩きで進むことはいないでしょう。
爪先、腰、肩、首と言ったあらゆる箇所が進行方向へと向けられます。
それらがどの方向を向いているかで、これから進行方向を変えるのか、そのまま直進するのか分かってくるのです。
また、歩いている速度も重要です。真っ直ぐ進むだけなら速度を緩める必要もありませんが、進行方向を変えるときはスピードを落とさなければいけません。
なので、曲がったりする際は首をその方向に動かし、速度を落とし、爪先を向けるでしょう。
ただ、近年よく見かける歩きスマホをする人は流石に予測出来ません。
ドライバーからしてみると本気で止めて欲しいことの内の一つですが、言ってもどうしようもないです。
そんな人がいたら、大人しく距離を開けるか徐行しましょう。
予測の勘を鍛えるには?
歩きながら出来る練習法
上で挙げたポイントを押さえれば、大体の動きは予測出来るようになりますが、いきなり運転しながらというのも難しいです。
ですからまずは歩いているときに練習します。
歩いていれば、当然他の人とすれ違ったり、すり抜けることが多々起こります。
そんなとき、上半身と下半身の動きを見て、
「爪先が右を向いているから右に進むかも」
「キョロキョロしてるから立ち止まるかも」
「首が左を向いたから左に曲がるかも」
と言った具合に予測を繰り返します。
そして実際にどうだったか結果を見て下さい。
もし予測した通りに人が動けば勘が当たったということですし、当たらなければ何が原因か探ります。
人の行動は動作の直前でいきなり変わることもあります。ですのでその人の気持ちになって考えてみると、自ずと行動を予測することは出来るんです。
あなたが歩いていることでそれを意識して動きを変えるかもしれませんし、他の要因、例えば団体が歩いてきたり、信号の変わり目、電車がホームに入ってきた、等行動が変わるのには様々な理由がありますね。
終わりに
動作の予測というのは一見難しそうに思えて、実は簡単です。
つまるところ、対象の動きをよく観察して「こうするかも」と考えることが大切です。
運転をしていて無意識に予測出来るようになってしまえば、あなたの運転技術は大きく上達していることでしょう。
終
相棒TTと撮影したオススメスポットを地図にまとめています。
良ければ愛車と写真撮影する際の参考にして下さい。
記事内にイチオシスポットも挙げて幾つか紹介しています。