【滋賀県】【廃村】彦根の秘境最奥に隠された幻、アウディTTで武奈廃集落へ到達せよ!

【滋賀県】【廃村】彦根の秘境最奥に隠された幻、アウディTTで武奈廃集落へ到達せよ!
 

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最奥さいおう

 

言うに及ばず、一番奥の奥を示す言葉である。

 

往々にして、市町村の最奥というのは秘境という表現が的を得ていると思える程に深山幽谷しんざんゆうこくであり、道のりは険しく、風景は感慨深いものだ。

 

では滋賀県彦根市の最奥にひっそりとした秘境廃集落が存在していることをご存知だろうか?

 

武奈ぶな廃集落

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

地図リンク

滋賀県の彦根市や多賀町には霊仙廃集落群と呼ばれる小規模な集落が名を連ねている。

 

今回探索するのはその内のひとつ、武奈ぶな廃集落である。

 

元々探索する予定は無かったのだが、ひょんなきっかけでその名を知り、ちょうど1ヶ月後にはTTで到達することとなる。

 

険しき山間道路の最奥に隠された、秘境廃集落レポートを存分に堪能頂こう。

 

驚き嬉しのハプニング

物語は男鬼おおり廃集落の続きから始まる。

 

八百津ダートオフ後、変態酷道ガチ勢数名より男鬼廃集落をアツく布教煽りされ、近畿遠征の最終日に吸い込まれるように男鬼へと向かった不知火はものの見事にその魅力に獲り憑かれてしまった。

 

そしてさて、そろそろ東に帰ろうかと相棒TTをDQN停めした場所へ歩いているとその背後に赤い1台の車が停まっていることに気付く。

 

「え・・・こんなド辺境に他の車・・・?しかも赤・・・?」

 

約1名、脳裏をよぎるが、んな訳無いと即座に否定する。2台へと近付く不知火。

 

「あの特徴的な赤はソウルレッド、MAZDAだな・・・車種は・・・MAZDA3・・・」

 

既に色と車種が記憶と一致している。だが単なる夢だ、きっと連日の車中泊遠征で不知火は疲れて幻覚を見ているのよ、そうなのよ。更に距離が縮まりハッキリと視認出来るようになる。じゃあ、ナンバーは?

 

「・・・・・・・・・・!?!?!?」

 

ええそうです、まさかの現生人類げんせいじんるいさんでした。

 

八百津ダートオフ時に開始前から朝イチ八百津ダート完走という離れ業をした御仁で、敬愛する酷道ガチ勢のお一人でもある。さんMAZDA3で主に野山のヤベえ道を散歩感覚で徘徊し、愛猫あいびょうをヨメとし、ビーナスラインに魂を奪われたという。生粋の距離ガバでもあり、1年間で5万キロ走ったらしく、27時間無睡で下道1000キロを走り切ったという伝説は不知火の中では越えられない壁である。

 

大変気さくでフレッシュなお方で、若々しくもあり生き生きと語る事柄は聞いているこちらまで楽しくなるというもの。

 

そんなマイホーム滋賀にお住まいの現生さんがまさかの迎撃に来て下さったのである。

 

話をしている中で今いる男鬼の先にも集落があると言った現生さん。それが今回のレポートの武奈廃集落だ。

 

「行ってみます?」と聞かれたが、ここまでの道と地図で線形を見る限り明らかにヤバい。加えて事前に調べて無かったので正直TTで行けるか不安なところ・・・。

 

と、いうことでさんさん現生さんのMAZDA3に乗せてもらい、武奈を目指すことに。

 

にしてもダッシュボードのサメさんばちくそかわええな・・・。

 

快走林道と激狭市道

ゆるだら区間

ここからは翌月の5月に武奈までソロアタックしたレポートと、現生さんに乗せてもらったときのレポートの2つを織り交ぜながらお送りする。

 

乗せてもらったときのは背景をグレーにしているのでなんとなく分かると思う。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

まずは現在地。滋賀県道239号線と林道滝谷武奈たきやぶな線の分岐があるスタート地点だ。

 

林道滝谷武奈線のトレースを開始する。

 

パッと見た感じ、フツーの林道。のっけからえげつねぇオーラは感じなく、ゆるいテンションでも行ける。

 

いやぁ、実に走りやすい。

 

路面の清掃も適宜行われているようで、石や枝に神経を磨り減らすことが無い。

 

まあ、実際は時折グレーチングが軽い段差になっていたりと、TTでは気を使うシーンも垣間見得るのだが。

 

事前にストビューで予習した限りでは、眺めの良いポイントがある・・・?と思っていたが実際に走ってみると・・・

 

・・・そんなことはなかった。

 

ま、まあ、林道だし。林の道だし。

 

飽きる程眼前を木々が横切るのが一般的なので、眺望目当てで走ってしまってはいけないか。

 

快走路であることは間違いないので、夜中に流すとなかなかに楽しめそうではある。

 

ブラインドコーナーにもきちんとカーブミラーが設置されているのは道路管理者の有難い心遣い。

 

カーブミラー無しのところなんてそれこそ数え切れないくらいにはあるので、これの有り無しでドキドキ具合が随分違うのだ。

 

それにつけてもつくづく・・・走りやすい林道である。

 

ここまで路面に対して気を使わず走れる林道というのは純粋に気持ちがいい。

 

荒れた路面を走るというのも一興だが、スイスイ流せるというのもまた、不知火的にポイント高い。幾ら酷道マニアといえど、どこでもかしこでもハードだから楽しめる、という訳では無いからな。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

林道区間を走り始めて数分、右手に分岐が現れる。

 

鋭角にV字ターンを決めなければ進入出来ない道は、彦根市道5023仏生寺ぶっしょうじ男鬼おおりだ。

 

明らかに現在走行している林道滝谷武奈線と比べても市道の方が難易度は高い。地図で見ると林道より市道の方が距離が短い。が、荒れているだろうな・・・。

 

余談だが、ここの市道から多賀鉱山跡に通じているらしい。

 

市道分岐を過ぎてすぐ、また左手に彦根市道5023仏生寺男鬼線の分岐が見える。

 

走ってみたい気持ち半分、止めといた方がいい気持ち半分・・・。今回は別方向だから行かないよ?

 

そこから暫くは特筆すべき点も無い道が続く。

 

脇にうっすら枝が積もっているとはいえ、大した量では無いので、対向車が来ても余裕で離合出来る。

 

右前方、「落石注意」看板。

 

もはやこの手の道路ではお約束と言うべき看板だろう。現に左側に割と大きい落石があることからも、看板が置かれていることに現実味が出ている。

 

今あんま関係無いけど、たまに「落石注意」看板に落石直撃してることってあるよね。

 

またもや右手に分岐が。

 

そう、彦根市道5023仏生寺男鬼線だ。やはり入口だけ見ても路面がヤバイことはなんとなく察するところだ。

 

市道か、林道か

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地。ここまでで既に3回も彦根市道5023仏生寺男鬼線が出てきているが、ここでもその分岐が出てくるのだ。

 

右か、左か。

 

一瞥いちべつした限りでは左が本線(林道)、右が分岐線(それ以外の路線)だろう。無闇に突っ込むのは場合によっては不知火がガチ泣きする羽目に陥るので、一旦降りて状況を確認する。

 

皆様、お元気でしょうか?こんにちは、管理人不知火です。

 

分岐の前に1枚の案内図が設置されていたので、参考にする。降りて道(特に右)を見てみたい気持ちもあったからな。

 

とても親切な案内図。

 

現在地から真上の方向に進めば市道、そのまま男鬼武奈方面、左の方向に進めば林道、そこから武奈に辿り着くという。

 

「↖どちらからでも行けますが広くて安全です」と書かれている方が本線の林道になる。

 

・・・しかしながら・・・案内図を設置して頂いた方々には大変申し訳無いが達筆過ぎてかなり文字が読みにくい・・・。

 

市道の方には別の案内板が木に直接打ち込まれている。

 

落合の横に小さく「㊟道路くずれてる。」と書かれているのが明瞭かつ端的に警鐘を発していて、地味に笑ってしまった。

 

右は市道、左は林道。

 

距離は短いが難度の高い右の彦根市道5023仏生寺男鬼線距離は長いが難度の低い左の林道滝谷武奈線・・・。

 

どちらを選ぶか・・・?答えは言うまでも無かろう・・・。

 

狭さこそ正義?

右の道を選びましたよ、勿論。

 

これが彦根市道5023仏生寺男鬼線だ。

 

先程迄の林道滝谷武奈線からガクッと道路のクオリティが落ちる。

 

エスケープゾーンなんて生易しいものは皆無に等しく、対向車との離合は無論、例え路面が陥没していても避けることなど出来ない。

 

加えて道路の中央が所々隆起しているので、相棒TTにとっては鬼門以外の何物でも無い。まあ、選んだからには走り抜けるのが男ってもんです(意地)。

 

一応こういった離合or休憩ポイントがあるにはある。

 

離合はともかく、こんな中途半端な場所で一服付ける人がいるかどうかは分からないが。

 

狭いな・・・。

 

このくらいの幅員になると鼻歌歌いながら呑気に走るのはキビシイ。

 

タイヤが道路からはみ出す程では無いにしろ、気を抜くと左のデカイ石や切り倒された木にボディがガリゴリしてしまうからだ。

 

とはいえ興奮度合いは格別。隘路マニアを自称する不知火にとって狭いのはテンションがバカ上がりする材料に他ならない。狭さは、正義。

 

当然ながら対向車が来たら涙のロングバックを強いられることとなるだろう。

 

普段の隘路で離合シーンに直面しようものなら、そのプライドに賭けて、相手がRにシフトチェンジする前に神速でこちらが下がるのだが、ここでは正直・・・出来れば可能ならやりたくない。・・・とかフニフニ言いつつ実際に直面したら瞬時にRシフトすると思う。

 

彦根市道5023仏生寺男鬼線の最狭区間を過ぎると幅員は広まり、神経をすり減らすことも無くなる。

 

美しく林立する樹木を横目にやりながら、暫しの休息走行時間と言えるだろう。

 

行き届いた整備の市道

清掃、眺望、ガリ音

もうここまで来たのか。

 

直進すると市道路線番号そのまま、彦根市道5023仏生寺男鬼線、左折すると彦根市道5022男鬼武奈線だ。

 

直進すれば懐かしの男鬼廃集落へと通じるのだが、目的地が武奈廃集落である為、左折。

 

彦根市道5022男鬼武奈線に入線し、すぐ。

 

木々の密度は濃くなり、より一層林道感が漂う。

 

市道の方が林道より林道らしいってのもなんか変な気がする・・・。

 

荒れた道ではいつもステアリングを握る役だったので、酷道ガチ勢の、しかも助手席というのはかなりレアと言える。加えて、

 

「なんだこの安心感は・・・」

 

どんな道でも走る技量と経験を兼ね備えた酷道ガチ勢、現生さん。その助手席というのはお世辞抜きで安心して乗っていられる。変な話、酷道の助手席で爆睡出来る。まあ、話が楽しいので眠気が来るはずも無いのだが・・・。

 

あ、ちなみに不知火の助手席はダメです。舗装路だとすっ飛ばす上にヘタクソなので酔います(たぶん)。

 

・・・・・意外と普通だな。

 

現生さんに乗せてもらったときは「いやいやいや、TTじゃ無理ゲーだろjkジョーコーとか思っていたのだが、実際に走ってみるとそうでもない。

 

勿論、枝とか落ちてて下手すると枝が車体下部に引っ掛かって、ずっと枝をみっともなく「牽引」することとなるのだが、それ以外は普通。

 

思いの外路面の清掃が行き届いているらしい。

 

廃集落と化した一帯であっても、管理が行き届いているというのはとても素晴らしい。

 

我がホーム千葉県なんて廃集落じゃなくてもろくすっぽ管理されてないような市道がゴロゴーロあるというのに・・・。

 

良かったのか?こんなに走り易くしちまって・・・。

 

拍子抜けしてしまうくらいに楽な市道で、走行前散々身構え、脳内シミュレーションをしていた自分が惨めになってくるくらいだ。これなら廃集落までノンストップでぶっちぎれそうだぜ!・・・とかなめプなめくさったプレイしていた不知火。

 

大丈夫、ちゃんとインシデント(清掃案件)はあります。

 

2速でスイスイ流していると、降りなければアンダーカバー激擦り事象が発生した。

 

まあ、これ(清掃活動する不知火)が無いと秘境捕獲してる感が薄れるからな・・・。

 

再び登場、不知火翔湊。

 

ラジオ体操をする人のように腰に手を当てながら散らばる石や枝を路外に掃ける。

 

不知火という人、もはやこの手のことに慣れ過ぎていて、いやむしろ、このシーンが無いと「物足りない」とか思ってしまうくらいには変人の領域を極めているのだとかそうでないのだとか(他人事)。

 

というか、不知火が変人なのは当の昔にあまね膾炙かいしゃされたことか・・・多分。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地。清掃活動を終え、すぐのポイントだ。

 

さっきまで鬱蒼うっそうとしていた市道の視界が、いきなり開ける。

 

これはちょっと撮り納めておきたいな・・・。

 

武奈眺望。

 

アングルが前か後ろか崖の上くらいしか無い為、とても良い、とまではいかないものの、悪くない眺めだ。

 

反対からも。

 

ちなみにTTを写した写真は向きが全て帰路方向なのだが、単純に行きが登り勾配であまり頻繁に停めて撮りたくなかったからというだけである。あまり気にしないでほしい。

 

進む。武奈眺望の後は武奈のヘアピン、略してブナピンとなる。

 

ドラレコだと急角度に見えるので、切り返しが必要かと思いきや、簡単に一回で切り登れる。

 

ふう、と安堵したが、Rを抜ける寸前、下から「ガリッ☆」という聞きたくなかった音が・・・。後程確認する。

 

件のブナピン。

 

中央に鎮座する樹木がブナピンを彩り、インパクトを与えている。

 

そんなことよりも・・・

 

三度みたび登場、管理人不知火。

 

懲りずにフレームインした理由はブナピンをクリアする直前で、アンダーからガリ音が耳に飛び込んできたからに他ならない。

 

バンパーとアンダーを不安そうに覗き込む不知火。

 

外観上は傷も無く、石ころがヒットした訳でも、枝を牽引している訳でも無い。特段心配することも無さそうだ。

 

表情がホッとしている。

 

「不安ならそもそもそんなとこ行くなよ」という声が聞こえてきそうだが、もはや趣味通り越して「命の洗濯」とも言えるくらいのライフワークなのだから仕方無い。

 

木漏れ日射す市道

行軍を再開、しようとしたとき、右手に怪しいテント群が存在感を示していることに気付く。

 

不気味過ぎる・・・。

 

昼なおこれだ。夜通ってこんなものがフロントガラス越しに浮かび上がるものならブルッちまうことだろう。

 

中に誰もいませんよ・・・?(CV:岡嶋妙)

 

今度こそ再開。

 

左側は見ての通り崖っぷち。路肩がしっかりと補強されている為、崩落の危険性は下がり、やや安心感がある。

 

道幅は広くなったり、狭くなったりの繰り返し。

 

幾ら隘路マニアの不知火でも、ずーっと狭いからイイのかというと、そういう訳でも無く、たまにはこういった何も考えなくても脱輪の危険性ゼロな広い道も走りたくなるというもの。

 

気を抜いて走れる区間、っていうのかな、そういうの必要じゃん?

 

良い。

 

どこにでもある、普通の林道のような光景。

 

目を見張るインパクトがある訳では無い、特筆すべきハイライトがある訳では無い(←同じ意味)、だがそれがいい・・・。

 

嗚呼、この圧迫感、たまんねぇ・・・(ジュルリ)。

 

整然と立ち並ぶ林間を駆けるだけでも美味しいが、迫り来る土手が加わっているのもまた、乙なもの。

 

とはいえ、広いわけではないので、油断してるとボディが土手との望まぬ濃厚接触を達成してしまうのだが。

 

所々で木漏れ日が射し込み、光景に温かみが増す。

 

辺りはこれでもか、というくらいに木が覆い尽くす。シンプル。だがそこに複雑な光が入ることで場は大きく様変わりしているように感じる・・・。

 

さんさんにて一度路面がやや荒れている場所に差し掛かったのだが、

 

「イケルイケル、フラットフラット・・・」

 

なるほど、呪文の詠唱か。

 

突如御仁が言霊を唱える。恐らく、行けるか怪しさを感じる際に使うまじないだろう。口にすればたちまち路面の怪しさから来る不安が払拭され、何事も無くクリア出来る・・・。不知火のTTだとこういうところは常に路面の不安との戦いなので、やはり試してみるべきだろうな(←おまえは何を言っているんだ)。

 

だいぶ奥まで来たな・・・。

 

彦根市道5022男鬼武奈線も後半。その証拠に、

 

出た、分岐!

 

そう、このV字に切れ込む道を進むといよいよ武奈廃集落まで残り僅かなのだ。

 

「ラリー車の往来を禁ず」

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

ここが現在地。

 

路線番号については彦根まっぷによればどちらに分岐しても変わらず彦根市道5022男鬼武奈線のようだ。

 

モータースポーツをされている方なら歓喜しながらサイドブレーキを引き、華麗なサイドターンを決めるのだろうが、あいにくと出来ない不知火は普通に切り返して武奈廃集落へと進む・・・のだが、実はここには絶対に見落とせない、激レア過ぎる看板が設置されている。

 

「道路保全のため ラリー車の往来を禁ず。」

 

そう、しっかりラリー車、と明記されているのである。

 

数多あまたある一般公道の看板、標識に「ラリー車」という文言が刻まれたものが他に存在するだろうか・・・?

 

まずお目にかかることは無いはずだ。不知火自身、はじめて対面した。

 

ここは映えるスポットか、否か?

 

答えは無論、YESである。

 

不知火が太鼓判を押そうじゃないか。

 

ちなみに美女御仁の現生さんはこのレア看板前を密かに「ニッチ過ぎるマニア向けの新たな映えスポット」として確立させたいそうなので、死道(市道)でも難無く来れる腕に覚えのある方は是非ともお越し頂き、思い思いのユニークな一枚を撮影し、TwitterなりInstagramなりにうpして欲しい。

 

無論道路初心者には幾ら何でも過酷なので、腕を磨いて、また挑んでみて頂きたい。

 

安堵、に襲い掛かるトラップ

作業小屋のような廃屋を横目に、残り少ない市道区間を駆け抜ける。

 

ちなみにここから先、Googleマップではあたかも直線に近いかのような線形で描かれているが、実際はヘアピンがある。ストリートビューですらないような道だから、正確なトレースは諦めたのだろう。

 

原生にも似た林、路面を飾る苔、自然と溶け込む道・・・。

 

思わず引き込まれそうになる。滋賀県は廃集落そのもののレベルが全国的に抜きん出ているだけでは無い。周辺を取り巻く道、その全ての光景と路面がレベチなのである。

 

とはいえ、往時は住人が毎日のようにこの道を往復していたのだろう・・・?

 

幾ら何でも辛い。いや、毎日通っていれば否応にも慣れるとは思うが、毎日市街地と集落を往復したいかと言うと、嫌だ。

 

「ブナちゃん、こんな綺麗になりおって・・・」

 

どうも現生さんが言うには、以前にもこの道を通ったらしいが、当時は路面が荒れ荒れの荒れで、諦めて撤退したほどだったらしい。

 

それが今回久々に訪れたところ、なんということでしょう・・・劇的ビフォーアフターを遂げていたのだとか。確かにこんな彦根市の端の端、しかも廃集落に続く道だ。手入れなどされている方が驚きと言うべきだろう。

 

あと、やはりダッシュボードのサメさん、癒しスキル高過ぎてカンスト起こしてる。

 

うん・・・?何か見えて来たな・・・。

 

ナビにはもはや道すら描かれて無いので、先がどんな道なのか完全に不明なのだ。

 

だがこれはきっと・・・いや、間違いない・・・。

 

見えた!武奈廃集落・・・・・!!!

 

ついに到達した。男鬼と肩を並べる秘境廃集落とのご対面である。

 

だがしかし、ここで大半のドライバーは油断する。到着したことでの気の緩み。一見何の危険も無い光景。それが実は命取りだということは、直面して初めて理解するというものなのだ・・・。

 

ガリッ・・・バコン!

 

!!!???

 

実はここ、廃集落の入口にはトラップが仕組まれていて、路面が微妙に陥没している上、右側の壁が迫り出しているのにアスファルトが激狭の為、壁スレスレになるのだ。

 

不知火は見事にそのトラップにハマり、僅かではあるがボディのアンダーを擦ってしまったらしい。

 

してやられたな・・・。

 

完全に油断した。

 

まあいい、気持ち切り替えて今は到着を素直に喜ぼう。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

滋賀県道239号線から林道滝谷武奈線、彦根市道5023仏生寺男鬼線、彦根市道5022男鬼武奈線をトレースしたここまでのルートマップだ。

 

では、召し上がります。

 

深山幽谷の果てに辿り着く幻

「最奥」が描く終焉

地図リンク

山深き地にあらわる廃墟群、狭隘を極める入口の絶悪路ぜつあくろ外界と隔絶された森閑しんかん・・・。

 

武奈廃集落である。

 

人工の音一切が耳に来ず、その全てが自然からの囁き。

 

彦根市、という滋賀県の中でも中枢に当たる市でありながら、ここまで深山幽谷とした地に切り開かれた武奈は、まさしく秘境と呼ぶに相応しいものだろう。

 

廃集落の光景そのものは男鬼に遠く及ばない。

 

だが、そうではないのだ。

 

険しい道のりを踏破して初めて実感する悦び。

 

これはその地に到達したものでしか到底感じ得ることの出来ない、謂わば一種の快楽と称するべき類。

 

男鬼も含め、アウディTTという車種で到達したのは間違い無く不知火という変態が初だろう。

 

こちらは現生さんが武奈廃集落に到達したときのさんさん。

 

車長は相棒TTより遥かに長いので、違う意味で慎重な取り回しが必要となるはずだが、現生さんは平常心の如き冷静さでさんさんを振り動かす。

 

基本赤、という色味が少ない廃集落の風景写真において、最も映える色味、それが赤、だろう。

 

取り残された時の中で

朽ちつつ自然に混じりゆく廃墟群。

 

男鬼同様、一帯が開けているので開放的な類に入るのだが、その道のりと場所の険しさはもはや比では無い。

 

 

まだ寒さの残る4月の武奈。

 

ヒンヤリと肌寒く、上着が無いと長く立ち止まっていられない程。

 

ちなみにこの現生さんに連れて行ってもらった日は4月14日。何の偶然か、ぴったりこの1ヶ月後に相棒TTで来ていた。1ヶ月で山々の光景は大きく変わるものだな。

 

半壊や全壊してしまっている廃墟もあるが、しっかりと踏ん張っているものも存在する。

 

未だに管理されていることを表す証拠だろう。

 

男鬼廃集落と家屋の外観を比較すると、明らかに種類が異なっているように思える。

 

男鬼がかなり古めかしい家屋であったのに対し、武奈は比較的新しめな造りをしている。

 

一度改築が施されたのだろうか・・・?

 

壇上に連なる家屋。

 

時の流れに身を任せ、ゆっくりと、しかし確実に荒廃は進んでいく。

 

そう遠くない未来、完全なる形で山に還ってしまうのだろう。それもまた、摂理。

 

右の廃墟には一枚のポスターが貼られている。確か共産党のポスターだ。

 

残りの心元無い毛を誠大切に育てながら、握手を求めてくる人物が写った、あのポスターだったと記憶している(やや曖昧)。

 

こんなところにまでポスターを貼りに来る共産党職員の執念に感服の念というよりは、憐憫れんびんの情を抱くな・・・。

 

往時はここで武奈の人々が日々を過ごしていた。

 

薪を割る人、炭を焼く人、縁側でラジオを聞く人、野山で仕留めた獲物を解体する人・・・。

 

様々な光景が脳裏をよぎる。

 

ところであれってソーラーパネルだよな・・・。

 

茶褐色の廃墟天井に斜めに取り付けられたブツ。恐らくはソーラーパネル。

 

あれで床暖房や風呂沸かしの電力を補助したり、停電時の非常用電源として運用されていたのかもしれない。

 

現生さんと登った石垣の上からは廃畑が垣間見えた。方角的には東で、奥に行くに連れ、狭まり、道路も消滅している。

 

物理的に進めるのは徒歩か、チャリか、バイクか、ジムニー先輩か・・・。

 

武奈廃集落には廃神社、いや、秘境神社が存在している。

 

階段を登り、鳥居を潜った先には鬱蒼とした光景が広がっている・・・。

 

境内の横、そこの半壊した廃墟。

 

秘境神社の社務所的な扱いらしい。

 

実はこの辺で、不知火は一眼レフ運用者としては初心者のようなミスを侵してしまう。あまりにも恥ずかし過ぎるミスの為、何、とは書かないが、兎にも角にもダサい失態を演じてしまったのである。

 

しかし、現生さんの有難いフォローのお陰で事無きを得た。

 

いや、マジで現生さん助かりました、この場を借りてお礼申し上げます・・・(おでこが禿げる程の激しい土下座)。

 

若宮わかみや神社。

 

御祭神を応神おうじん天皇とする小さな神社だ。応神天皇は実在したかが怪しまれる、とも文献には書されている。

 

応神天皇は八幡神やはたのかみと同一視されており、この八幡神は武運を司る神様として平家源氏など多くの武家に崇められたのだという。

 

御祭神がまつられている祭壇。これが限界の高さなので、内部を覗き込むことは出来ないが、ガワを見るだけでもよく手が入っているのが分かる。

 

綺麗なところを見ると、御神体の移転が行われていない為、定期的に元居住者などが訪れているのだろうが、居住者では無い不知火の視点からするとここに通うのはかなり骨が折れるだろう。

 

祭壇から御神木を撮影する。祭壇の木枠が写真のフレームとなり、斬新な一枚となった。

 

一部を切り取るというのも、なかなかに悪く無い。

 

不知火は変な人の極み

・・・と今更書いても読者の多くは「うん、知ってた」と思う事だろう。

 

大事なことなのでもう一度改めて書くが、不知火は変な人の極みなのである。

 

ここで行った奇行、それは、手前の狭隘路をどこまでバックで攻められるのか?・・・だ。

 

で、早速そのシーンをご覧頂こう。

 

狭すぎじゃね・・・・・?

 

ミラーから石垣までの幅よりも・・・路面が。

 

アスファルトが1ミリも見えないんですが・・・()。

 

そんな車幅で大丈夫か?

 

大丈夫じゃない、問題だ・・・。

 

運転席側は運転席側とてアスファルトに余力は無い。スレッスレだ。

 

狭いとか、狭く無いとかそんなチャチな問題じゃあねぇ・・・。イカチ過ぎる。

 

相棒TTにはバックカメラとかソナーとかっていうハイテク装備は付いて無いので、ドアを開けながら最最最徐行でバックする。

 

これが不知火と相棒TTの限界。

 

もうね、石垣側、ミラーが頬ずりしてるよね。

 

狭いね、ヤバイね。

 

写真には写して無いのだが、このすぐ後ろの右側は、鉄パイプがあって、路面のアスファルトが欠落してるような、そんな感じの場所だった。

 

これ以上は無理。

 

ちなみに八百津ダートオフでも華麗な技を披露した美青年変態リーダーshokiさんは、この翌日G4で武奈に来ていたのだが、共産党のポスターが貼られた廃墟のとこまでバックしていた。まあ、リーダーは不知火以上に変態なので仕方ない・・・敗北感、悔しい、彼こそ極上の変態(←負け惜しみ)。

 

ラストに武奈廃集落×相棒TTアナザーショット。

 

知らなければ到底到達することすら叶わぬ武奈廃集落。

 

その雰囲気たるや、全国の車と撮れる秘境廃集落の中でも指折りの高さと言えるだろう。

 

終わりに

滋賀県彦根市最北東端にある武奈町の武奈廃集落。

 

風景、というよりは雰囲気、まさに個人的に殿堂入りを果たしても可笑しくは無い領域である。誰でも簡単に訪れることは出来ないハイレベルな部類の廃集落だが、ツワモノは是非とも挑んでみて頂きたいものだ。

 

また、連れて行って下さった現生人類さん、この度は本当にありがとうございました。いずれまたどこぞの様子が可笑しい山奥で奇声上げながら徘徊しましょう()。


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