【静岡県】【酷道】観光国道なのに激荒れ!?旧国道414号線の天城越えでスリルを体感せよ!

【静岡県】【酷道】観光国道なのに激荒れ!?旧国道414号線の天城越えでスリルを体感せよ!

広告


天城越え

 

内容は知らずとも名前だけは聞いたことがあるという方も多いだろう。

 

川端康成の「伊豆の踊子」をはじめとした多くの文学作品でその舞台が描かれ、現在においても数多の観光客が訪れる有名な観光スポットである。

 

だがその天城越えなる場所が観光地の道路とは思えない程荒れているのをご存知だろうか?

 

旧国道414号線

天城峠にあるダート酷道

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

静岡県の伊豆市と河津町の境にある峠を天城峠と呼び、天城越えはその峠を越えることを指している。

 

沼津市から下田市までを結ぶ国道414号線は比較的交通量が多く、文字通り「伊豆半島の背骨」となる重要な役割を果たしているのだ。

 

現国道414号線に寄り添う形で旧国道が残されており、代表的な天城山隧道も新天城トンネルのすぐ横にある。

 

今回スポットする旧国道414号線はアスファルトが剥がされたダート国道となっており、旧道とは思えないくらい車の通行がある為か、路面の中央は盛り上がり轍になっている・・・・ということを知ったのは実際に走ってからであった。

 

観光地とは思えない「酷」い道

ハッキリ書かれた旧道入口

周囲には河津七滝や河津七滝ループ橋、温泉や「天城越え」という名の道の駅まである観光地である。

 

総じて交通量が多く、観光バスと頻繁にすれ違う辺りが400番台の国道でありながら、重要な国道であることを示していると言えるだろう。

 

っと、テンション上がる青看板!!

 

現国道から左に分岐する道にハッキリ「旧道」と明記されている。

 

どうでもいいが、英訳の「old road」では「古道」になってしまう気がするので、この訳は間違っているのでは無かろうか・・・?

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地はちょうど旧道と現道か交わるY字路。直進すれば新天城トンネルを経て、かの有名な二重ループ、河津七滝ループ橋を渡ることになる。

 

迷わず左折し、旧道に入っていく。道幅は急激に狭くなるというのが旧道のお決まりパターンで、今回も例に漏れずググッと幅員が狭まっている。

 

しっかりと左側に国道標識が置かれている。

 

大抵旧道ともなると国道標識ことおにぎりは外されてしまうはずだが、名所ともなると残されていたりするものなのだろう。

 

道の先に目を向けてみる。薄暗くてよく分からないが、どうにも・・・怪しく無いか?

 

・・・・・は?

 

これ、ダートじゃね?

 

ちょっ、聞いて無いぞ!!!雑誌読んでも、WEB見てもどこにも旧国道414号線がダートだということは書いていなかった。事前情報とは180°異なる現況を前に、鳩が豆鉄砲食らったような気持ちになっている不知火。しかも、

 

ガゴンッ!!!

 

「!?」

 

戸惑いの出だし

追い討ちを掛けるかの如く、ボディの下から予期せぬ異音が聞こえてきて、慌てて待避所らしきポイントに相棒TTを避難させ、緊急点検を開始する。

 

路面を目視した限りでは小石(TTにとっては大概「大石」)も無かったし、深い溝があった訳でも無い。流石に頭が付いて行かなかっただけに、この待避所の存在は有り難かったと言える。

 

車から降りてすぐさま下回りをチェックする。

 

11月下旬ということもあり、珍しく不知火もタンクトップでは無く、普通のコート(数年前に楽天市場で買った4000円の激安コート)を着ている・・・というのはどーでも良く、不知火を見て分かる通り、かなり不安な思いが詰まった表情をしている。べ、別にドラレコ意識して、カッコつけてる訳じゃ無いんだからねっ!!(←本当)

 

ついでにしゃがみこんで、底部も見てみる。しかし、いっくら簡易点検をしても、ぶつけた跡やパーツが外れた痕跡は見受けられない。完全に僕の思い違いだったのか?

 

再度車体の方を見ながら運転席に戻っていく。

 

不安寄りな表情は変わらず、ついでに書くとこのときの不知火は首をかしげているのだ。「あの異音は何だったのか?」と。明らかヤバい音がしたにも関わらず、原因が分からないというのは往々にして奇妙なものであり、不安になるのも頷けると思う。

 

かくして不知火は相棒TTに乗り込み、天城山隧道を目指して行く。一体どんなドラマが待ち受けているのだろうか?

 

逃げ場ゼロ

異音の原因が特定出来ず、不安な気持ちを僅かばかり抱きながら、旧道奥へ向かっていく。それにしても、旧国道でダートってのはなかなか見掛けないな。

 

「林道」ですね、分かります。

 

確かに「旧国道」だが、どう見ても「林道」で、どれほどまでに国道標識や青看板を増強したとしても、この有り様を目の当たりにしてさえいれば、誰しもそんな思いを抱くはずだ。

 

走っていて思い出すのは、やはり酷道418号線の八百津ダート区間だ。だがあれに比べると幾分、というか物凄く楽。何故ならあのダート区間は数100m間隔で車から降りて石や枝の除去作業を行ったからな・・・。

 

車のタイヤが乗る部分はフラットで走りやすいダートだ。だが問題は道路中央部にあるである。

 

これが良い感じに相棒TTの底部を擦るか擦らないかの瀬戸際を行き来しているので1秒たりとも気を抜けない状況なのだ。ファミリーカーであればハイスピードで何の躊躇も無く疾走出来るダートでも、相棒TTでは或いはボディアンダーがお亡くなりになる。・・・なら走るなよという声が聞こえてくるね・・・。

 

まあそれはそれ、これはこれ。

 

・・・・・エスケープゾーン()

 

左は法面、右は路肩に張られたロープ、逃げ場ゼロ状態である。

 

写真の通り、対向車が来ようものならどちらかが後退するしか選択肢は無い。仮にロープが張られていなかったからと言って、離合出来るかと言われば間違い無く無理なのだが。

 

ニョキッ!

 

対向車「どうも~(^^)」

 

ほら来た(笑)。

 

そうは言っても、今回は対向車側に待避ポイントがあったお陰で、対向車が脇に寄って下さり、さほど難しい離合では無かった。

 

・・・なんて言いつつ、こちら側も道路左の蓋無し側溝スレスレへタイヤを乗せなければいけない状況下だった。こんなとき、車幅を正確に測れるようになっていてつくづく正解だったと思うのだ。

 

離合する。恐らくだが、対向車のドライバーは9割方思ったことだろう。「なんでこれ(TT)いんの?」と。

 

再三再四書くが、普通の神経のドライバーであれば、こんな轍モリモリのダートなんて低車高のスポーツクーペで走ろうとは毛ほども考えない。不知火の場合普通では無いので「行ける」と判断した路面のみTTで特攻することを信条としているし、「もぅ、、、まぢ無理」と判断したときは即座に転回し、離脱している。が、不知火のことを知らない方は「またバカが行けもしないような道路に突っ込んで来たな」と思うのであろう。僕はどう思われようが構わないが。

 

荒れてますな~(称賛)。

 

道路風景はこんな感じで「離合出来ないダート」「離合出来るダート」が変わりばんこに登場する。全体比率的には「離合出来るダート」の方が区間距離が長く、さほどの息苦しさは感じない。

 

正直対向車が来ないのであれば、さっきのような「離合出来ないダート」で相棒TTを停めて、写真撮影に興じたいのだが観光国道である為、ちょくちょく対向車が来てしまう。それに当初は旧国道414号線が舗装路だと思っていたから、撮影するつもりも無くて「軽く流そう」程度だった。即ち次の目的地へ向かうスケジュールがあってあまり長居する訳にもいかなかったのである。撮影し出すと小1時間は撮りまくるからな・・・。

 

「天城越え」ハイライト

突き刺さる「視線」

轍と格闘しながらチンタラ進んでいると、何やら人だかりが出来ている。

 

これはもしや・・・ああ、きっとそうだ、そうに違いない・・・。

 

お世辞にも見頃とは言えない紅葉を前に集まった観光客達を横目に、ディープさ全開の坑口へ向かってみる。

 

にしても、観光客達から向けられる視線が・・・。「何とも言えないモノ」を見ているときのような視線は何なんでしょうか・・・?

 

坑口へ近付くに連れ、見えないオーラが放たれているように感じる。

 

・・・あの、その汚物を見るような痛い視線、無意味に突き刺さるんで、やめてもらえないっすか(笑)別に注目されたいが為にTTでこんなとこ行ってる訳じゃ無いんですよ・・・。

 

目も眩むような太陽光線の逆光と重々しい深淵のような坑内が極めて対照的である。

 

さ、それでは入坑するとしようか・・・。

 

ゾクッ・・・。

 

自然と鳥肌が立つ。昼間だし、辺りは人が多いし、何故かアスファルトだし、決して不気味だという感情は無い。なのだが、離合困難な内部に加え、歴史を感じさせる石組みの壁面点々と配置された照明、そして遥か遠く見えない出口、と通行する者を不安にさせる為の要素が詰め込まれている。隧道を抜けるとこのまま、異界に案内されてしまうのでは無いかという謎の気持ちが湧き上がって来てしまうのだ。・・・或いはここが有名な心霊スポットであること所以かもしれないが。

 

良かった・・・異界には繋がって無い。ちゃんとシャバに出ることが出来た。いや、本当に異世界転移なんて起きたらタマッたもんじゃあ無いよ。

 

隧道出口は2台がすれ違える幅員になっていて、相棒TTをすかさず左脇に停車させる。目的は勿論・・・。

 

威厳放つ天城山隧道

天城山隧道×アウディTT

 

古いながらも頑丈な石造りの隧道、辺りを飲み込む勢いで繁茂する植物、そして荒々しさの象徴ダート路面。

 

隧道からは盤石さが滲み出ていて、訪れる者を屈服させんばかりの威厳が放たれているようにも感じる。

 

地図リンク

改めて隧道に向き直る。

 

天城山隧道(あまぎさんずいどう)と扁額には刻まれている。隧道内部が、外界の明るさと比較して如何に暗いのかよく分かる。これは間違っても夜中に遊び半分で訪れて良い場所じゃ無い。確実に「出る」。こういう場所は往々にして軽い気持ちで行くと取り返しの付かない結果になると相場が決まっている。・・・・・主に自分の精神が。


広告


現道へ向かう後半戦

デンジャラスダウンヒル

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

天城山隧道を撮影し終えたところで、現在地。そこそこ走ってきた気もするが、実際は大した距離を走ってはいない。

 

さて、そろそろ進むとするかな。こっからは下り、ダウンヒルということになる。

 

ヒルクライムだろうが、ダウンヒルだろうが、ダート路面だということを忘れなければ特段気を付けるべきことというのは無い。峠のセオリーというのは基本同じなのだ。

 

ア゛ア゛ア゛ア゛アアァ・・・!ムェ(目)がぁ、ムェ(目)がぁぁあああ・・・・・。

 

・・・さっきダート路面だということを忘れなければ登りも下りも気を付けるポイントはあまり無いと言ったな?あれは嘘だ。

 

今不知火がやられているように、強烈な太陽光線で目を焼かれてしまえば、対向車に気付けなくなるわ、車幅測り間違えて側溝か崖下にドロップアウトするわ、仕舞には路肩の障害物を見逃して聞きたくない効果音をボディ底部から聞くことになるか、太陽光線によって全てを台無しにされ、一瞬で「人生終了のお知らせ」を拝領する結果に・・・というのは言い過ぎだが、逆光で視界が死ぬことに変わりは無い。確かにサングラスで軽減は可能だが、100%安全な視界にすることは不可能なので、運転技術は勿論、ある程度の運要素も持ち合わせていないといけないのかも。

 

地形的に陽射しが遮られ、目視が遥かに楽になった。路面各所に散りばめられたギミック(主に轍)の把握もしやすい。先程の天城山隧道を除けば、道路上に街灯が皆無なので、夜中に走るとすればヘッドライトが完全なる生命線となるが、明るい時間帯に走るのであれば丁度良い。

 

道路風景としては悪く無いんだがなぁ・・・。

 

不知火としては「撮りたい道路」に含まれるので、撮影したい欲がずっと湧き上がって来ている。しかし対向車や後続車が時々登場する為撮ることが出来ない。

 

実際相棒TTで峠を下っていると、バックミラー越しにプリウスが見えた。ここはダート路面な上、轍なんかの対応をしなければならないので、現在相棒TTの平均車速は10km程度。流石に遅過ぎるかと思い、プリウスの様子を伺いながら走ってみたが、差が縮まるどころか、どんどん差が広がる。つまりはプリウスよりずっと速い速度で下っていたのだった。たった10kmなのに・・・。

 

さらばダート

アスファーールトッッ!!!

 

思わず一人運転席で叫んでしまう。グレーっぽくてガッチリと固い慣れ親しんだ路面からの手応え、舗装路に戻ったのだ。アスファルトのダウンヒルならこっちのもんだぜ!

 

やっぱり舗装路は走りやすいよな・・・。

 

ダートが好きだからといって延々走っていたいという訳でも無い。カレーライスはスパイスに少量のヨーグルトを入れるから良いのと同じであって、アスファルトを走るシーン9割、ダートが1割程度だから刺激があって楽しいのだ。

 

スピードレンジがグンと上がる。ミラーが設置されていないブラインドコーナーは当然減速させるが、そうでなければさしてその必要は無い。タイヤの手応えはしっかりしているし、動物や落石、ハイカーやサイクリストの姿も見当たらないからだ。

 

コアなファンサービス

T字路に差し掛かった。矢印の通り、右に進めば現国道414号線に向かう枝道、左に進めばそのまま旧国道414号線を走り続けることになる。ここは一旦現道に行ってみよう。

 

大型車との離合も可能なくらい広い幅員の道だ。連日雨が降った訳でも無いのに路面が濡れているのが多少引っ掛かるが。

 

現道が見えた。左折すると河津七滝ループ橋に辿り着くことが出来る。

 

交通が途切れたタイミングを見計らって現道へ入り、Uターンして再度旧道へ行く。また旧道を目指す理由は、やはりどんな道の状態なのか気になったからである。

 

地図リンク

旧道に戻ってすぐ、国道であることを示す「おにぎり」が左手に設置されている。だがしかし、何だかいつも見ているおにぎりとは少々雰囲気が違う・・・。近寄って撮影してみると、

 

「旧道 414」

 

そう、「旧道」と書かれていたのだ、おにぎりに。

 

普段のおにぎりであれば道路番号の下に「ROUTE」とあるが、これには無い。国道標識を模してアレンジした旧道標識がわざわざ設置されていたのである。まさにコアなマニア向けのファンサービスと言うべきだろう。他に類を見ないくらいシンプルかつ明確に「旧道」を示しているのだ。マニアであれば思わず拝み倒したくなるのではなかろうか。

 

逡巡

T字路まで戻ってきた。左は天城山隧道方面、右がまだ走っていない旧国道414号線の続きとなる。

 

当然旧国道部分を確かめる為に右手に入ることにした。拍子抜けするくらい平らなアスファルトで、困る要素は見つからない。

 

なんて考えていたのも束の間、道路先の路面の色がハッキリと変わっている。あー、やっぱりこっちもダートですよね。状態によってはそのまま進んじゃうけどどーすっかな・・・。

 

・・・・・・・・・・無理だな。

 

僅かばかり逡巡したのち、決断を下した。不知火の直感が「止めた方が良い」と告げていたからである。現在は旧道であるが、現道指定されていた当時はきっとかなりの酷道として扱われていたに違い無い。新天城トンネルを含む現道が整備されたことは、利用者にとって悲願なことだったのだろう。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

地図が見切れているが、この先は天城山隧道のあった旧道区間よりも遥かに曲がりくねったワインディングな上、出だしの荒れ方も面倒に思えるくらいキマッていた。ここで徒に時間を消費するのは得策では無いし、旧道走破が当日の目的では無かったからな。

 

分岐までゆっくりとバックし、現国道414号線へ復帰した。旧道走破はしなかったものの、いやはや、なかなかに手応えを感じる区間であった。

 

 


広告


 

 

 

秘境カテゴリの最新記事