静岡県の観光地、伊豆半島。
熱海をはじめとして多くの観光客が訪れ、その人気ぶりは箱根に匹敵する程である。半島としては千葉県の房総半島よりも小さいものの見処が沢山詰め込まれており、実際に2泊3日で伊豆半島を一周したのだが悔しいことに地元房総半島では勝ち目が無さそうに感じてしまった。
そんな伊豆半島には異色を放つ巨大廃建造物があるのをご存知だろうか?
ひっそりと横たわる赤龍
通称「赤沢廃ループ橋」。
伊東市にあり、国道135号線からもその姿を見ることが可能だ。
旧国道135号線に潜む
国道135号線から脇道に入り、道なりに進む。
すると・・・
で、で、で、でかい・・・・。
突如道路の空中に姿を現したのは巨大な廃橋。
それもただの廃橋ではなく、廃ループ橋である。
この廃ループ橋が頭上に見えた時、最初に感じたのは「赤い化け物」という印象だった。化け物、と言うより「赤龍」だろうか。それ程までにこの遺物は存在感があり、場違いであったのだ。
なんとか廃ループ橋を近くで見てみたいと思ったのだが、衝立で近寄れないようにされてしまっている。
ふーむ・・・。どこか入れる場所は無いものか・・・。
まずは通行の邪魔にならない窪んだスペースがあったので駐車し、周辺を探索してみようか。
林の奥からアプローチ
お、ここからなら廃ループ橋に近づけそうだ。林の中を進んでみる。
「!」
キタコレ・・・見つけた・・・。
目の前にはループ橋「だった」鉄塊が無残にも転がっている。転げたソレはただ静かに、地面に横たわり藪に身を委ねているようにも見て取れる。
視点を変えて撮影。訪れた季節は1月だったがこの通り、植物が繁茂し廃ループ橋全体を覆い尽くしてしまっている。
渡橋!廃ループ橋
これが廃ループ橋を登る為の入口・・・。
渡橋し崩落部分まで行ってみたいと思う。
濃いな・・・。
味が濃いです、濃厚です。
伊豆半島によもやこんな強烈なインパクトを与える物件がひそかに眠っていたとは思いも寄らなかった・・・。
と、廃ループ橋を渡り始めて数分後、謎の「違和感」に襲われる。突如グラリ、と体が揺れたような気がしたのである。
「ん?眩暈か?」
この日は伊豆半島2泊3日一周ドライブの2日目。しっかり宿で休養を取ったとはいえ、1日目の疲れが残っていたのかもしれない。気のせいだと自分に言い聞かせ、先を急ぐことにする。
彼方に見える太平洋
遥か彼方に青々とした美しい太平洋が見える。この位置からだと見えているのは城ケ崎海岸だろうか?
「ループ橋」の特徴でもあるこのカーブした橋上。かつてこの先に建設するはずだった別荘地を建設する為、大型ダンプが行き来していたと言う話だ。しかし、この橋は一般車が通る事無く、明確な時期や原因は不明なまま崩落を始め廃ループ橋となり現在に至る訳である。
違和感の正体
歪んでる・・・・
廃ループ橋上部から来た道を見て戦慄した。肉眼で見てもハッキリと橋上の歪みが見て取れた。
後で分かったことだが、このループ橋は建築基準不足で完成された説が濃厚で橋脚は勿論、橋全体としての強度が足りていなかったようなのである。
先程僕が感じた「グラリとした感覚」は単純に橋が揺れた時の振動だったのだ・・・。自宅でその事実を知った時身体が震えたのは言うまでもない・・・。
崩落個所まであと少し!やはり廃物件というのは何かこう、惹かれるものがあるな。
そして、
俯瞰風景
入口、崩落個所、落下物の3種を同時にアングルに収めた。ここに辿り着くまで大した時間はかかっていないはずだが言いようのない達成感を感じた。
こええ・・・・。試しにギリギリに立ってみる。高さ20メートル、といったところか。
すぐ近くに落下した部分があった。斜めになった落下物は岩に支えられピクリとも動かない。
廃ループ橋から見下ろす脇道。この脇道は旧国道135号線に当たるようで抜け道として使う車両を時々見かけた。
伊豆半島にひっそりと身を置き眠る赤沢廃ループ橋。「彼」は一般車両の通行という日の目を見ぬまま儚くもその山奥に散った。
そしてこれからも彼の地を見守り続けるのだろう。
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