【千葉県】【秘境】隧道から流れ落ちる秘瀑~開墾場の滝

【千葉県】【秘境】隧道から流れ落ちる秘瀑~開墾場の滝

千葉県には人工ながらもまるで自然と遜色無い、美しい景観を持つ渓谷が数多にある。

 

ここで言う人工とは、川廻しによるものだ。房総半島では江戸時代頃を皮切りに、農業、林業、稀有なところで畜産業においてまで、川廻しが用いられ、水源確保に努めてきた。

 

その中でもかなりダイナミックな景観を誇る隧道滝があるのをご存じだろうか?

 

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開墾場の滝

川廻しにより生まれた景色

三島湖から数キロと離れていない上流地点に、奥米という地名がある。君津市の南東部に位置し、林道三間線の途中の渓谷、そこには直径数mはあろう、川廻しによって作られた巨大な素堀隧道から流れ落ちる8m程のがあるのだ。俗に言う、開墾場の滝である。

 

隧道と言っても長さは6~7m程度で、普段の水量も少ないのだが、大きく口を開けた素堀隧道から降り注ぐ水流滝壺側から見るその光景はとても迫力がある。

 

「美しい人工景観」で他の有名どころと言えば、T秘境がある。こちらも大変見応えのある場所なので、興味があれば合わせてお読み頂きたい。

 

くっそ分かり辛い入口

三島湖を南下していくと、奥米地区の集落が点在している箇所に出る。更にこのまま南を目指すと林道香木原線と林道渕ヶ沢奥米線の分岐に出て、渕ヶ沢奥米線は三島隧道にそのまま通じている。

 

車を道路の脇に寄せて停めて、渓流装備に着替える。幅員としては充分対面通行出来るし、コーナリングの邪魔になることは無い。

 

ちなみに、犬の散歩をしていたおじさんが準備を整えてる時に通りかかったのだが、こっちを三度見してた(笑)まあ、こんな若いのがアウディTTで、しかもこんな秘境に来てりゃ驚くわな・・・。

 

で、入口は、と言うと、

 

・・・・・・・くっそ分かり辛いな。車を停めてから20分程辺りを探し回ってやっとこさ見つけた入口だ。

 

写真で言うと矢印の場所に手書きの立て看板が置かれており、そのまま獣道をトラバース気味に下っていくと入渓することが出来る。

 

地図で言うと現在地はこの辺だ。獣道は結構急坂なので、滑って転ばないように注意しなければいけない。

 

調べたところ、この近辺にはヤマビルがウヨウヨいるそうで、時期が9月だったこともあり忌避スプレーを持参していったが、幸か不幸か一匹もお目にかからなかった。

 

ヤマビルの特徴と対策が知りたい方は以下のレポートを参照して頂きたい。房総半島におけるヤマビルについてを経験も交えて記載している。

 

ダイナミック素掘

道路脇の立て看板を見つけてから川までものの10分と掛からない。あっという間過ぎて、印象にも残らないくらいだ。

 

ふむ、良いな・・・。川を含めた景観は大層美しい。房総特有の景色というか、この土地では珍しくないとはいえ、やはり何度見ても飽きない。

 

木々の隙間から太陽光が差し込むシャイニングレイ、日本語では薄明光線。うっすらではあるが、この光線が構図に入るだけで、写真の印象は大きく変わる。

 

入渓から時が経つこと数分、ホシへと辿り着いた。

 

!!!

 

これが滝壺へと流れ落ちる滝を作り出す素掘隧道か!まるでシールドマシンでくり抜かれたような、立派な円形をしている。房総半島は素掘隧道の宝庫であり、全国的に見ても大分県に次ぐ2位の数を誇っている。水路素掘隧道も数多に存在するが、こんなにまん丸な形は始めて見た。

 

では、いただき、ます。

 

ドーーーン!!!

 

ダイナミック過ぎる程ラージサイズな素掘隧道。川の水深はポットポールを除くと精々2~30cmにも満たない浅瀬だが、隧道の高さは僕の身長3人分くらいはありそうで、明らかなオーバースペックである。ひと昔前は水量も充分で、水深もメートル単位であったかもしれない。だからこそこれくらい巨大な隧道を掘削する必要があったのでは無かろうか。

 

 

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緒元より高く感じる落差

現在地は先程の隧道前とほぼ変わっておらず、滝のへりに来ている。その滝上部から滝壺を見下ろしたのが・・・

 

・・・・・高くない?

 

おいおい、落差8mとか事前情報では書いてあったけど、ほんとかよ。10mは軽く超えてるように思えるぞ?

 

見ての通り、水量は恐ろしく少ない。ここのところ晴天が続き、雨も少なかったこともあるとは思うが、やはり房総。高い山が無い為、豪雨でも起きなければ長靴でも余裕で進めるくらい水が無い。だがそれ故初心者向けのコースが多く、トレーニングに訪れやすいのが魅力でもあるのだが。

 

チャレンジ!懸垂下降!

さてさて、このまま滝の下から全体を拝まず帰るというのはヒジョーに勿体無い。しかし滝本体に道具無しで降下出来そうな場所も見当たらず、滝壺も水深3mはありそうだったので、このまま降りるのは厳しい。下手すりゃ天に召される。で、周囲を見てみると、

 

ロープあったやん。

 

有難いことに太さ1センチ程のロープが斜面を横切るようにして設置されていた。体重をかけて引っ張ってみても緩んだり千切れたりすることも無く、比較的真新しいロープだ。上の写真は滝に向けて撮ったもので、左中央上部に滝の白い水の線が写っている。

 

御覧の通り、ロープはプロと思われる方によってしっかり木の幹に結び付けられていた。ロープワークにはさほど詳しく無いので分からないが、ひとまずこれを辿って下まで行けそうだ。

 

けんすいかこう~(ド〇えもん風に)

 

斜面から川床まで垂らされたロープを掴みながら、そのまま下っていく。傾斜の付いた斜面と言うよりは垂直な崖に近い。壁蹴りやステップ出来そうな場所を駆使しつつ、なんとかかんとか滝壺の方まで行くことが出来た。

 

味わい深い光景

イイ・・・すごく・・・イイ・・・。

 

大きく口を開けた素掘隧道から、急角度の傾斜に沿って一筋の水線が涼々と流れている。

 

周りの青々とした苔や木々と台形状に広がった水の領域が独特のコントラストを生み出し、見る者の目を奪う。

 

心地良い水の音が響き渡り、身も心も清らかになっていくような気持ちがした。

 

これが大雨の後であれば、より一層迫力が増し、唯一無二の絶景へと昇華するだろう。

 

 

 

優れた人工景観のスポットというのは全国のあちこちにあり、そう珍しくない。だが開墾場の滝のように、人工的に作られた部分と自然によって創造された場所が絶妙に調和し、磨き上げられるケースというのはどこにでもある訳では無いのだ。興味がおありの方は、是非行かれてみてはいかがだろうか?

 

 

 

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