観光地に比べると幾分か難易度が高い秘境。
一度踏み込んでしまえば、その魅力に取り憑かれ、気が付けば趣味になっていたという方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
ですがその秘境探索も必ず肝に銘じて置かなければならないことが存在します。
今回は秘境探索をする上で絶対に忘れないで頂きたいポイント四箇条を説明したいと思います。
一.出来る限り机上調査する

事前に調べておくことが大切なのは言うまでもありません。
行ってみたら私有地で揉め事になったとか、災害が発生しやすい地域で巻き込まれたとか、熊と遭って被害を受けた、など起こりうる事象は枚挙に暇がありません。
特に、私有地だったというケースは、管理人不知火にとって記憶に新しく、泣く泣く記事を削除した記憶があります。場所の名前は伏せますが、事前調査で目的地へ行くまでに私有地を通るということは分かっていました。しかし、あるサイトで「こう進めば大丈夫」と書かれていて、それを鵜呑みにしてしまい、進んだ結果・・・そのことが市の委員会で問題に挙がっているとのメールを頂き、青ざめて記事を削除した、というのが顛末です。
※問題となった某県某所2か所。写真には特定が困難になるよう、処理を行っております。
これは地域性もあると思いますが、特に千葉県ではこういったことにかなり敏感だと感じています。
二.無理をしない

秘境の多くは危険が一杯です。例え事前調査で危険な箇所や種類が分かっていたとしても、実際に行ってみると大きく状況が異なっていることがしばしばです。
その場所の年数による変化、季節、時間帯、天候、土地開発による影響、なんかが異なる主な要因です。
探索する方の熟練度によってギミックの対応力も変わります。かなりレベルの高い方であれば、法面崩落した斜面を余裕でトラバース出来てしまったり、逆にレベルの低い方であれば、水量の少ない川の横断でも足を取られて怪我をすることもあります。
その為かなり重要なのが、自分の探索レベルをきちんと認識し、それに合わせた探索を行わなければいけません。
特に、熟練者数人で秘境に赴くのであれば一人が怪我をしても、他の人がバックアップに回ることが出来ますが、僕のように一人で探索を行う場合はそれが出来ません。
どんな状況も一人で対応し、無事帰還するというのは、かなり危険度が高いです。
なので管理人不知火は絶対に無理をしません。
現在時刻や天候、その後の日程等を考慮し、踏破することのメリット、デメリットを天秤に掛け、デメリットの方が大きいと判断すれば即座に引き返します。
※千葉県某所の水路素掘隧道。ライトを使っても出口が見えない程入り組んでおり、深さ1m超のポットポールも点在する。突破には危険が伴い、常に「勇者の杖(木の棒)」で深さを確認しながら慎重に進まなければならない。この場所は幾つもの水路素掘隧道が連続していて、体力的にも時間的にも厳しいと感じたので、3本目で引き返した。
なんだ、そんなことか、と思うかもしれませんが、この判断って結構難しいんです。
気が付かない内に危険に足を踏み入れていて、気が付いたらもう遅かったとか、「まだ大丈夫だろう」と甘い考えを持っていた為に、死亡するというケースは割りと頻繁に起きています。
※千葉県にある林道竹岡線の1シーン。エメラルドグリーンの水が溜まり、所謂「土砂ダム」を形成している。木々が水に浸かり、立ち枯れのような様相をしている。深さがどれくらいあるか見当も付かないので、諦めて引き返した。
「戦場では勇敢な者よりも慎重な者の方が生き残る」なんて聞きますが、それは秘境探索においても同じなのかもしれません。
無謀に踏み込んで対処出来ず、死亡して捜索隊に迷惑をかけることが無いように、慎重になりながら、無理をしないように心掛けましょう。
三.現地住民への迷惑は最小限

秘境がある場所というのは山奥なことが殆どです。
そして車両デポ地として使うのは途中の道路の脇やちょっとしたスペースということになります。
ここで注意しないといけないのが、周辺住民への配慮です。
秘境近く、つまりは山奥には大抵集落が存在し、当然住民が生活しています。
その土地に住む地元民にとって、僕達のような秘境探索者は言ってみれば「敵」です。
ゴミを捨てたり、騒音を発したりすることは問題外ですが、そうでなくてもそこに来ること自体が周辺住民にとっては迷惑なんです。
考えてもみて下さい。県外ナンバーの見知らぬ車が1台停まっていて、重装備で車から降りて来た人間に優しく接しようと思いますか?
何を仕出かすか分からないし、地元民は不安で仕方無いと思います。
※極力邪魔にならないように・・・停めているつもりだが、もしかすると周辺住民にとっては邪魔なことこの上無いかもしれない。
県民性や土地に住む人によってフレンドリーなこともありますが、中には物凄く冷たくされたり、排除されたりすることもあります。
秘境探索者にとって肩身が狭いですが、至極当然だと思います。
出来る限り自分が脅威では無いことをアピールし、可能なら通りすがりの地元民に話し掛けて挨拶したり、目的を話したり、世間話をすると多少なりとも警戒心を解くことが出来ます。
四.ゴミは持ち帰る

秘境に限らずどんな場所に置いても人間としてごく当たり前のことです。
ですが実際のところ、結構秘境でゴミがその辺に捨てられているのを目の当たりにしています。
観光地は比較的清掃が行われている場所が多いので、綺麗だったりしますが、秘境の場合、清掃がが行われるのはまずありません。
故に秘境は、一度ゴミが捨てられると半永久的にその場に残り続けてしまいます。
秘境の景観だけでなく、動植物の生態系にも悪影響を及ぼし、良いことは全くありません。
人が殆ど来ないから捨てても良いと思っているのでしょうか?正直人としての神経というか、生きている価値があるのか甚だ疑問に感じます。
※山奥だと割と見かけるゴミの投棄。林業作業者か、探索者か、過去住んでいた集落住民の物なのか・・・。
この場で白状しますと、管理人不知火は喫煙者で、かなりのヘビースモーカーなので、秘境探索中も良くタバコを吸います。
しかし、必ず携帯灰皿を持参し、吸殻は絶対に持ち帰るようにしています。勿論その他ゴミも捨てたことは一度もありません。
※必ず持ち歩いている携帯灰皿。喫煙自体賛否両論あるだろうが、許してほしい。
決められた場所以外にゴミを捨てるということが非常に罪悪感を覚えますし、変な話、「人が見ていなくても神様は見ている」と思っているので、捨てるという気が起きません。
例え小さな紙ゴミでも、強風で吹き飛ばされた時は全力でダッシュし、可能であれば崖下や川迄入り、回収する程です。
それくらい、ゴミを捨てる人間が許せません。
ゴミを捨てると、周辺住民が激怒して、その一帯の立ち入りを禁止するということも事例として多く存在します。
千葉県においても、そういった場所の話はかなり耳にしました。
秘境探索をする際は必ず、ゴミ袋や灰皿を持参し、絶対に持ち帰るようにして下さい。
最後に

ひっそりと佇み、滅多に人の訪れない秘境というのはとても美しく、魅力的です。
ですが、極少数、たった一人でもルールを守らないだけで悲しいな結果や状況になってしまうものです。
もしあなたがこれから秘境探索を行いたいと考えているなら、この記事で挙げた四箇条を遵守して、心に残る秘境探索を行って行きましょう。
終
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良ければ愛車と写真撮影する際の参考にして下さい。
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観光地についてもそれなりに行っていますので是非見てみて下さい。