【群馬県】【秘境】見る者を圧倒する神秘なる巨大遺跡!太田藪塚石切場

【群馬県】【秘境】見る者を圧倒する神秘なる巨大遺跡!太田藪塚石切場


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優良物件

 

これはとある方づてに聞いた「廃グレード」のようなものを示す言葉だそうである。

 

秘境、廃墟、廃道、廃隧道、廃橋、廃鉱山など、使用出来る機会は多岐に渡り、現地で何か心に感銘を受けたのであれば「優良物件」と表現するのがならわし(?)だという。

 

確かに不知火自身も現地で様々な物件を目にしたとき「良い」「濃い」「旨い」などと表現することはあったが、どれもイマイチピンと来ていなかっただけに「優良物件」という言葉はまさしく言い得て妙だろう。

 

では、巨大な遺跡のような神秘的な空間の優良物件が群馬県にあることをご存知だろうか?

 

 

太田藪塚おおたやぶづか石切場いしきりば

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

地図リンク

群馬県太田市は日本の中枢を担う自動車メーカー、SUBARUのお膝元であり、文字通り生産拠点の大部分が太田市に置かれ、更には太田市スバル町なるものがあり、本工場の所在地でもあるのだ。

 

一見すると他に何も無さそうな町だが、藪塚町にまで目を向けると一つの遺構が残る。それが今回のレポート物件、太田藪塚おおたやぶづか石切場いしきりばである。

 

この石切場は、2000万年前頃に活発だった火山活動で軽石凝灰岩が地表付近に露出、それを採石・加工したものが「藪塚石」と呼ばれ、塀やかまどといった建築物として重宝されていたという話だ。

 

しかしながら、藪塚石は火や熱に強かったものの、水に弱い点や内部に石が含まれていたことから次第に衰退し、「大谷石」に転換されていき、閉山した。

 

1955年に閉山し、時は現在2000年代。現実離れした光景から特撮やロケ地でも使われることがあるという石切場、早速レポートを始めたい。

 

案内充実ロケーション

最初「だけ」チート級の楽さ

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地は群馬県道332号線の分岐から左に逸れて北上した地点である。

 

ナビには「勝負沼」と入力して、車は手頃な邪魔にならなそうなところに停めておき、着替えて探索を開始した。

 

「ここが入口です」と言わんばかりにそれらしき遊歩道が口を開けており、立ち止まって確認する。

 

石切場跡>

 

ご丁寧に案内まで立てられているじゃあないか。これでは迷う方がもはや難しいのではないかと思ってしまう。

 

ふと横を見ると「石切り場」と書かれた当地の歴史がビッチリ書き刻まれていた。

 

もはや長すぎる上に行間も狭いので、目がチカチカしてくる。

 

内容はさっき概要でまとめたことと大差無いので省略する。

 

手入れされた遊歩道だねぇ・・・。

 

落ち葉が降り積もっていたり、雑草に覆われているということも無く、非常に快適な路面だ。

 

右手にはトラロープが張られているのでコースを間違える心配(?)も皆無と言えよう。

 

おろ?分岐が。

 

といってもやはりきちんとした案内が配備。これを見る限りハイキングコースの一角なのだろう。

 

OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA

現在地はここだ。

 

整備されていてとても有難く、そしてチート級に楽だ、と思っていたのだが・・・。

 

「侵入者」を阻むトラップ

分岐を過ぎて僅か十数秒後。

 

通路には木道が敷かれ、そこが遊歩道となっているのだが、何やら様子がおかしい。

 

・・・・・手入れされてない遊歩道だねぇ・・・。

 

一言で言うならズタボロ。もはや人が進む為の配慮など皆無と言わんばかりに壊滅的な状態の遊歩道だ。試しに木に足を乗せてみたところ、フヨフヨしており、どこが全体重を乗せるとズボンッ!!!と踏み抜ける落とし穴なのか予測不可能。瀕死というより死んでるだろ、この木道・・・。

 

「この渡るべからず」・・・それがこの木道のある遊歩道を通るときのルールだそうだ。つまるところ木道の脇を通るなということ。

 

しかしながらそんなことをすると運が悪ければ木道を踏み抜き、木っ端か釘が足に刺さり、とんだ大惨事になるだろう。

 

病院送りになるのはゴメンなので、木道の脇を普通に通りました。通るなというならバリケードで封鎖するか、木道を直すかどっちかにしてほしい・・・。

 

なんていう、トラップまがいな遊歩道を歩き進むと両岸が切り立っていることに気付く。

 

ふと、顔を上げてみた。そこには・・・

 

別次元の空間が、顔を覗かせていた。

 

息を呑む巨大遺跡

眠れる森の絶勝ぜっしょう

白亜なる石壁せきへき広壮こうそうとした空間、点々と生えた草木・・・。

 

絶勝、と呼べる景色が眠っていたのである。

 

ロケーションそのものが抜きん出て美しく、時を忘れ、暫しの間茫然としてしまう・・・。訪れた者の心を掴み奪うには充分と言えるスペックだろう。

 

これを遺跡と言わずに何と言うのか?

 

もし事前情報も案内板の類も何も無い状態でここに来た人は間違い無く口を揃えてこう言うだろう、「太田市には巨大遺跡があったのか!」と。

 

より射し込む陽光ほの明るく、「遺跡」優しく照らし込んでいた。

 

茶、そしてという一見交わりの無さそうなコントラストが見事に調和し、癒しを施してくれているように思える。

 

岩の上にも数十年

石室1の内部。

 

奥を見やれば、部屋が続いている。石切場である以上、どうやって掘ったかについては見当が付くが、それより奥が気になって仕方無い。ドローンでも無ければ確認は不可能だな。

 

石室1の床を見る。

 

床には水がうっすら溜まっていて、パシャパシャと蛙か何かが一斉に跳び跳ねていた。

 

 

石室1を出て広場へ戻り、その右手には人が通り抜けられる隙間が空いている。

 

こちらも行ってみるとしよう。

 

屹立きつりつした双璧。

 

向かい合う岩同士に思わず「ゴゴゴゴゴ」と逼迫ひっぱくした効果音を付けたくなるところだが、それをなだめるかのように鮮やかで柔らかい森林が背景にいる、ように感じた。

 

全くもって荒々しい。

 

なだらかでは無く垂直な岩面、というのがまた力強さに拍車を掛けている。

 

岩を削る、というのが彫刻に近いということもあるだろう。一種の自然美術館のような存在である。

 

そのまま奥の方へと歩いてみると、緩やかな階段になっていた。

 

下ってみたが、特にこれ以上は見処が無さそう。斜面を回り込んで稜線を目指せば変わるとは思うが、踵を返すことにする。

 

閉山して数十年。閉山、すなわち事業としては終焉ということになるが、見方によっては数十年かけてようやくこの「色彩」が生まれたとも取れる。

 

進撃の「優良物件」

今度は広場から見て西の方へ歩いてみよう。

 

目を上に向ければ石切場のみならず、飛び込んで来るのがやはり木々の緑である。改めて森の中にある秘境は素晴らしい、と感じる。

 

重厚なる雰囲気を匂わせる石柱群。

 

太陽が当たれば軽やかな印象をもたらすが、日陰ともなるとガラリ表情を変え、その迫力に気圧されてしまいそうになる。

 

その奥、石室2が待つ方向へ歩み寄る。何かあるかと期待に胸を踊らせ、入り込むとそこは・・・

 

ガラーン・・・・・。な、なにもねぇ・・・・・。

 

きっとエジプトでクフ王のピラミッドを盗掘した盗掘団も、やっとの思いで棺の間に入ったときに同じ気持ちになったはずだろう・・・。

 

気を取り直して別の場所に行こう。

 

優良物件・・・。脳裏に言葉が響く。

 

目の前に広がる光景は、その言葉に嘘偽り無く、妖艶さ、荘厳さを余さず兼ね備え、磐石の構えを取っている。

 

見れば見ただけ優良物件。

 

不知火的には石切場でシャッターを切る地点全てが「ご飯のおかず」と言うべきで、1枚1枚だけで茶碗の白米1杯を召し上がれるご馳走である。

 

登って回ってこんにちわ

おや・・・?こんなところに穴が・・・。

 

石室3を見回していると、身長170センチの不知火が屈んでやっと通れる素堀の極短隧道が空いている。

 

ヨイショ、ヨイショと前進し、穴を抜けた先、そこは・・・

 

俯瞰風景。

 

そう、隧道をくぐった先は石切場を上部から見られる場所だったのだ。

 

木々が多く、展望ポイントは少ないが、それでもなかなか悪くない。

 

入口方面。

 

緩やかな傾斜なので、ここから徒歩でダイナミック帰還も出来そうである。・・・無論、まだ先が気になるし、一旦降りたら登るの面倒なのでやらないが。

 

石室1と回廊が見えるな。

 

この先は普通にストーンと断ち落ちた崖なので、落ちたら割りとヤバい。骨折といかずとも捻挫は必至だと思う。

 

極短隧道から半時計回りの通路になっていて、先へ続いている。

 

振り返ってみる。

 

薄暗い中、奥に石柱が2本、浮かんでいた。

 

昼間でこれだから、夜中に来たらマジで肝試しになるだろう。・・・いや、鉱山系のこの手の場所はガチなはずなので、面白半分でやるべきでは無い。・・・高確率で憑かれるから。

 

なだらかに高度を上げながら、右にカーブする山道。

 

いやらしい高さと場所に蜘蛛の巣(巣の真ん中に蜘蛛在中)が点々とあったりして、しゃがんだり身体を捻ったりして避ける。地味に蜘蛛の巣って見えなくて顔面クリーンヒットしたりするんだよな、ほんとに・・・。

 

山道の途中には先程まで自分がいた、石室2と3が見える地点に来ていた。

 

生え伸びる植物がまた良い塩梅に遺跡感を演出しており、終始石切場ではインディジョーンズにでもなったかのような気持ちであった。

 

山道はまだ続いていて、時間を掛ければ更に何か見つかるのかもしれないが・・・このクソ暑い中、無かったら絶望しかないので、退却することとした。

 

この太田藪塚石切場は探索する価値は非常に高い。遺棄されてから幾年も経過し、熟成された光景は是非一度その眼で見て、脳裏に焼き付けて頂きたい。

 

終わりに

この旅、ご一緒して頂き取材に同行して下さったのはTwitter界のビッグ、紅のケニーさん。

 

見る者を圧倒する、黒のGRBで荒れた道を駆り抜けて行く様はまさにラリーの体現・・・。更にはとても紳士的な方で、終始楽しい時間のあっという間な1泊2日車中泊ツーリングでした。

 

この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!m(_ _)m


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