【新潟県/福島県】【酷道】長大秘境ロード!樹海ラインをアウディTTで走破せよ!(導入編)

【新潟県/福島県】【酷道】長大秘境ロード!樹海ラインをアウディTTで走破せよ!(導入編)
 

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国道352号線。新潟県柏崎市から栃木県上三川町に至る国道である。

 

他の国道との重複区間が多く、新潟県長岡市に未開通区間を残すこの道路に、「酷道」と名高き場所が秘められているのをご存じだろうか?

 

今回は「秘境酷道」とも呼ぶべき伝説の国道の実走レポートをお届けしたいと思う。

 

その名は「樹海ライン」

新潟県魚沼市から奥只見湖を経て福島県檜枝岐村へと続く道路は通称「樹海ライン」と呼ばれている。何とも仰々しい名前である。

 

只見川の上流に作られた奥只見ダムによって出来た奥只見湖は完成当初日本一の貯水量を誇り、その複雑に入り組んだ湖の外周をこれでもかというくらい屈曲し、吐き気がする程の九十九折れ(つづらおれ)を形成している。

 

トータルの距離は約74kmで区間内にガソリンスタンドや集落は無く、銀山平に観光施設、随所に小規模な温泉施設がある程度である。

 

国道352号線の途中には新潟県、群馬県、福島県、栃木県の4県に跨る広大な尾瀬国立公園があるが、快走路と呼べる箇所が極端に少ない為、一旦樹海ラインに入ってしまうと、ひたすらにヘアピンカーブの続く区間を抜けなければ辿り着けない。

 

千葉県にも酷道と呼ばれる道路は国道410号線と国道465号線の2箇所程存在するが、胸を張れるようなレベルでは無く、実質酷道は走ったことが無かった。

 

日本三大酷道は行ってみたいと思っていたが、千葉からだと少し遠い為、比較的近場かつ有名な樹海ラインへまずは行ってみようと考えた。

 

今回のレポートは範囲が広い為、①~⑦までの区間地図を使って各地点をレポートしたいと思う。

 

 

ぬるすぎる前半戦

思い立ったが吉日

この酷道ドライブを決行した日というのが2017年7月11日で「関東信越2泊3日車中外泊ドライブ」の2日目だったのだが、当初樹海ラインに行く予定は無かったのである。始めに1日目は予め予定に組み込んでいた志賀草津高原ルートで渋峠と湯釜嫗仙の滝を見に行った。

 

参考までに現地の写真をアップ。

渋峠から湯釜と芳ヶ平

 

湯釜

 

嫗仙の滝

 

夜は草津温泉に浸かり、近くにある道の駅、草津運動茶屋公園で持ってきた食料を調理し、寝床に付いた。寝床、と言ってもそんな立派なものではない。寝袋は持ってきたが、敷くところが無かったので、仕方無く道の駅に置いてあるベンチに枕を置き、ウインドブレーカーを被って寝た(笑)これが車中外泊の「外」の部分である。ベンチから転がり落ちないか少々不安だったが、案外快適に寝ることが出来た。

 

3時間程睡眠を取り、缶コーヒーを飲みながらタバコを吸って目を覚ます。で、2日目は岐阜県の龍門の滝へ行こうと考えていた。この滝は岩で出来た天然の橋のすぐ下を滝が流れており、まるで大きな穴の中を水が流れているようにも見える奇瀑である。嫗仙の滝のように一風変わった滝が好きな僕にとって是非見てみたいと考えていたのと同時に、未だ岐阜県入りを果たしたことが無かったので、これを機に目的地に選んだ。当日の天気予報は曇りもしくは雨。だが滝を撮るのにはむしろ好都合だ。下手に太陽が差し込むと明暗部分が出来てしまい、写真としてのクオリティは下がってしまうからである。

 

しかし、ここで事前調査の甘さが裏目に出る。改めて龍門の滝を調べてみると観光協会のページに驚愕の事実が書かれていた。

 

「滝を巡る際はガイドが必要です、7日前までに予約を取って下さい。」

 

!?行けないじゃん!!!

 

既に日は当日。そもそも一人で探索するのが僕の基本スタンスであり、ガイドがいたら写真なんてまともに撮っている暇が無い。滝の写真というのは三脚を置いて10秒近い時間シャッターを開けておくスローシャッターが基本であり、断じてスマホでパチリといったのは僕にとって邪道であった。

 

さて、どうするか・・・・・。関東方面は天気が良く、伊豆半島へもう一度行ってみるのも良い。以前訪れた赤沢廃ループ橋を新緑と共に撮るというのも一興だと思ったからだ。

 

だがやはりせっかく群馬県まで来たのだ。わざわざ関東方面に戻るというのも勿体無い。

 

と、地図を眺めていてここで新潟県が目に入る。新潟県、で僕がパッと思い付いたのが「樹海ライン」というキーワード。場所を調べ、国道352号線の一区間を指し、本州では名の知れた「酷道」でもある。加えて新潟県入りもまだしたことが無かった為、決めた。

 

樹海ライン、行こう。思い立ったが吉日である。まずは枝折峠と呼ばれる場所をカーナビの目的地に設定し、丑三つ時の国道を走らせて新潟県へと向かった。

 


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開いてないガソリンスタンド

現在地は国道252号線。既に新潟県へと入っている。群馬県の道の駅を出発したのは午前2時でそこから休みなく走らせた。なんでこんなに時間がかかったのかというと、敢えて遠回りしたからだ。最短で行けば国道145号線、国道17号線と進めば樹海ライン入口まで辿り着けるのだが、そうしなかったのは夜中の志賀草津高原ルートを走りたかったからである。前月である2017年6月7日に夜間通行規制が解除されたので、国道292号線から進み、国道117号線、国道252号線と来た。ドライブレコーダーの画像をアップしたかったのだが、録画されていなかったか、誤って削除したかで見つからなかった。なのでここからスタートとさせて頂く。明け方の野沢温泉村は絶景だったこともあり、アップ出来ないのが残念で仕方無い・・・。

 

新潟始まったな・・・・。

 

すっげえ走りやすい。というか走っていて楽しい。早朝6時ということもあり、国道と言えど交通量は少ない。恐らく国道117号線、国道17号線の抜け道的ルートなのだろう。

 

緩やかな下りとなっている為、ギアを4速に固定し、パーシャル状態でスロットルを開けて速度を一定に保つ。コーナーも緩いのでブレーキングを行わずともスロットルを緩めエンジンブレーキ状態にするだけで楽に曲がることが出来る。少し車速が乗っている時はステアリングをコーナーと反対に一瞬だけ振り、すぐにコーナー側へ切る。こうすることで曲がりやすくなる。

 

あとで知ったのだが、それはフェイントモーションというラリーで使われるテクニックだった。僕の場合なんとなく夜中に房総半島を流していてブレーキを踏みたくない時に走っていたら思い付いたので偶々、ということになるのだが。フェイントモーションの原理はコーナーと反対にステアリングを切ることで強制的にイン側リアの荷重がアウト側リアに乗り、遠心力でアウト側リアが外に流れるのを利用して曲がるテクニックである。・・・・まあ僕のはそんな大それたレベルに達していないが。

 

一旦市街地に到着したところで給油をする。ドライブ2日目ということもあり、満タンだったガソリンは残り半分程。流石に僕にとって未開の地であるのでキッチリガソリンを入れておきたかった。樹海ラインと呼ばれる箇所は70キロ程度だが、転ばぬ先の杖だ。

 

しかし・・・・

 

あれ?やってない!?

 

やはりというか、まだ開いていなかった。関東圏なら24時間開いているガソリンスタンドは当たり前だが、郊外に出れば夜間は閉まっているのはザラである。時間はまだ6時過ぎ。他のスタンドも調べてみたが、どこもかしこも7時からが営業時間となっていた。こりゃどっかで時間潰すしかないな・・・。

 

適当に調べていたところ、道の駅があった。ひとまずはここで休息を取ることにする。

 

ということで改めて祝・新潟県入りである!一服しながら持ってきたノートパソコンにドライブレコーダーの動画をコピーし、再度樹海ラインまでのルートを確認。

 

ようやく時計は7時過ぎを指したので、セルフへと向かう。

 

これでガス欠の心配は無くなったな。

 

ついでにタイヤの空気圧もチェックしておく。TTの規定値は前2.2/後1.8なのだが、リアをスライドさせる為にわざとリアの空気圧を上げている。前2.2/後2.8というのが今回出発前に合わせておいた量だ。コンプレッサーでチェックしてみたが殆ど変化は無く、増減無しで完了した。

左:シルバーライン、右:酷道

いよいよ樹海ラインへと進んで行く。樹海ラインと言えど、序盤はこの通り普通の田舎道だ。

 

のどかだなぁ~。

 

こういう田舎道は大好きである。普段千葉市のゴミゴミした道ばかり走っている為、田園風景が広がり、山々が散見される光景は走っていて心が和む。

 

あ、おにぎりはっけーん!

 

国道であることを示す青い標識、通称おにぎり。逆三角形をしていて丸みを帯び、形がおにぎりに似ている為そう呼ばれている。今走っている道路が紛れもない国道だという事を実感する。

 

ん?青看板に何か書いてあるぞ・・・?「峠道路・時間一方通行・急カーブ 転落死亡事故多発」

当然ここで指しているのは樹海ラインのことである。・・・・・・怖いにも程があるでしょ・・・・・。

 

この先でY字路となり、左側へ進めば奥只見シルバーラインを経て奥只見ダム、直進すれば枝折峠のある樹海ラインへ通じている。そんなに脅されたって動じませんよ?その樹海ラインを走る為に僕は来たんだから!

 

頭上に現れた青看板には左折すれば奥只見及び福島県の檜枝岐と書いてある。奥只見は兎も角、檜枝岐まで左折に書いてあるとは・・・。直進には枝折峠と大湯温泉が記されているのだが、檜枝岐は枝折峠よりも先にある。更には尾瀬までもが左折へと寝返ってしまっているのだ。そうまでして樹海ラインを通らせたくないのかよ、この国道は・・・。

 

奥只見シルバーラインとの分岐路を右に入り、直進する。とうとう樹海ラインの始まりである・・・・!!!

 

区間①へ続く・・・

 

 

導入編  区間①  区間②  区間③

区間④  区間⑤  区間⑥  区間⑦

 


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