間食のように軽~い区間
落ち着きのある宿泊施設
こうして区間地図を見てみると、樹海ラインも随分と進んだものだ。区間⑤に突入する。
⑤の拡大図だ。この区間は九十九折れらしいヘアピンも少なく、全区間の中で最も難易度が低い。只見川がすぐ横に流れている為、時々その透明度の極めて高く美しい川が垣間見える。
あまり見所のある区間でも無い為、サラっと流していきたいと思う。
区間④から続いてきた、畑が両脇にある場所から案内はスタートする。秘境や酷道が好きな僕だが、やはりたまに人の営みを感じる場所というのは少々ホッとする。
右手の赤丸は小白沢(こしらざわ)ヒュッテと呼ばれる山小屋だ。キャンプ場が近くにあるそうで、ヒュッテではビールやワインといった酒類も振舞われるそうである。こんな大自然の中、満点の星空と澄んだ川のせせらぎを聞きながら煽るお酒はさぞ美味なことだろうな。
田舎ではありがちな光景
道案内の青看板。一体何度この看板を見て、尾瀬までの距離に絶望したことだろうか。
尾瀬:17km
県境まで:5km
・・・まあ、まあ、まだ尾瀬まで10キロ以上もあるんだな。てかさっきまであった鷹ノ巣は案内から消え、県境がひょっこり現れた。
真夏の強烈な日差しの中、常に対向車に気を使いながら走らなければならない道路の為、運転時の体力は通常の国道の倍以上削られる。加えて前日の睡眠は道の駅のベンチで横になって3時間程のものだったこともあり、自身の疲労をはっきりと感じていた。
とはいえ、車を停めて一服出来るようなスペースはなかなか見当たらず、ズルズルと先延ばしにせざるを得ない状況だ。いい加減どっかで休みたいな・・・。
あーなんか北海道みたい。
道の両側に草が生い茂っており、さながら牧場のような光景だ。牛が草むらでのほほんとしててもおかしくは無いが、そういう訳でも無かった。
また辺りは林間の姿に戻される。
本区間では珍しい、大きく回り込んだカーブだ。と言ってもミラーが設置されている上、幅員が2車線分作られている為、対向車に気を使う必要も無い。安心して突っ込んで行けるな。
なんて考えていると対向車が来た。赤丸で囲った部分に軽自動車が一台現れ、接近してくる。
車格が軽だったことと完全な1車線道路では無かった為、こちらも路側帯よりも外側に出れば容易にすれ違えることが読み取れる。あんまり寄り過ぎると雑草の洗礼を受けることになるのでギリギリに留めておくが。
離合はつつがなく。ナンバーは新潟で、モロ地元。当然離合にも躊躇いが見られなかったことからも隘路に慣れているドライバーであると察しが付く。
軽自動車は車幅が小さいので狭隘路や離合にはめっぽう強い反面、峠道では馬力の無さが災いし、ヒルクライムで苦戦するのが弱点だ。登りの前に下りがあればジェットコースターよろしく、最大加速してから勢いを利用してある程度の距離を高速で駆け上がることは可能だが、こういった長い峠ではさぞ辛いことだろう。
お、また施設があるぞ。清四郎小屋と言う名前の宿泊施設。先程のヒュッテと同じく、キャンプ場に泊まることも可能で、予約をしておけば自家製そばを召し上がることも出来るとか。手作りの露天風呂も用意されているらしいので、疲れを癒すには最適だと思う。
久し懐かし洗越
段差ありの標識!ということはここにも・・・?
やっぱりだ!洗越がおいでなすった!右奥から湧き出した水がL字クランクを描きながら左側へと伝っていっている。他のと同じように水量は少なく、迫力と言う迫力がある訳では無い。
だが、TTにとっては水量よりも気にすべき点がある。段差だ。今まで何度も書いているがもう一度書くと、ダウンサスで車高の下がったTTにとって段差は鬼門なのだ。下手に段差に正面から突っ込むとバンパー下部、あるいはフロントタイヤ前に取り付けられたマッドフラップが大根おろしされてしまう。今まで何度その手の攻撃を被弾したか。
幸いこの洗越はイヤラシイ段差では無かった為、気を揉む必要も無く通過出来た。
っと、ん?駐車場?なんでまた、こんな中途半端な場所にあるんだ?
実はここ、平ヶ岳への登山口入口だったのである。登山者はここに車を停め、そのまま西にある平ヶ岳山頂を目指すようだ。
くっそ見辛くて恐縮だが、上の写真赤丸部分を拡大すると確かに「平ヶ岳登山口」と看板に書かれているのがうっすら分かる。さっき出て来た小白沢ヒュッテや清四郎小屋に泊まってから平ヶ岳へ登山、あるいは平ヶ岳から下山して宿泊といったように登山者は施設を利用しているのだろうな。
待望の休憩地点!
そこから先へ進み、左側に只見川の見える道路に。この川は樹海ライン途中にあった奥只見ダムの他、田子倉ダムなども連ねている重要な電源元の河川である。先にある尾瀬沼が水源となっており、西に流れた後、数か所の滝となって新潟県と福島県の県境を北へと進んで行く。
右脇を見ると小さな案内標が建てられている。当然ここで記されているのは、
尾瀬である。残り13キロ弱と言ったところだ。
大変有難いことに、ちょうど駐車スペースが設けられていたので、頭から突っ込み車を駐車する。
奥只見ダムから約40キロ、休み無しで来た為だいぶ集中力が落ちていた。タバコを一服し、暫し休息を取ることにした。
スマホでサクッと撮った写真なのであまり上手く撮れなかったが、自然豊かで大変美しい河川だ。柔らかな水の音が心地良く、いつまでも佇んで居たくなる場所である。
現在地である休憩地点はここだ。まだルートが少し残っているのだが、残念ながらこの先の区間⑤のドラレコ動画が残っておらず、当区間のレポートはここまでとなる。恐らく次の区間が最も樹海ラインらしい風景が見られる道路だろう。
区間⑥へ続く・・・
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