ここがほんとの「樹海ライン」?
農地広がるのどかな地
延々続くかと錯覚してしまう程長い樹海ライン、それもついに区間⑥、クライマックスである。
実際は区間⑦までが正規の樹海ライン終点なのだが、この区間で尾瀬に辿り着く為、一区切りと言ったところだ。
現在地はというと・・・実は既に福島県へ突入してしまっている。「え?だって県境の標識無かったよ?」と言われると弱いのだが、手違いでちょうど区間⑥の最後から県境に入るところのドラレコが上書きされてしまっていたのだ。読者の方にはお詫びをしてもしきれないくらいの過ちで、大変申し訳無く思う・・・。僕としても後々見返して県境標識が見れないのはショックだ。
兎に角悔やんでも仕方無いので、このまま先へと進みたいと思う。今回もまたお付き合い頂ければ幸いだ。
道路の右手には只見川が流れている。都会で見るドブのような濁った川と違い、非常に透明度が高く、そのまま飲めるんじゃないかと思う程美しい川だ。
ぐっぐわぁあああ!!!やめろっ!溶けるぅうぅう・・・!!
・・・訳が無いのだが、とりあえず眩しい。
既に何度か書いているが、朝っぱらから雲もほとんど無いくらいの日本晴れで日照りMax。普通に運転していたら確実に目ん玉がやられそうである。実際太陽の光に眩惑され、事故を起こすという事例は少なくなく、如何に日中の日差しが恐ろしいかが分かる。万物に恵みを与えてくれる太陽も、時に凶器へと変貌するのだ。今回はきっちりサングラスをかけている為視界は良好だが。
開けた直線の一本道に出た。左右は畑の広がる場所で、トラクターがせわしなく動き回っている。正面に目をやると、何度目か分からない対向車が来ている。ふーむ、エスケープゾーンも無いし、左ギリギリに寄って避けられるかな。
徐々に車影が大きくなっていき、対向車も路肩ギリギリに寄りながら近づいてくる。僕はこれ以上寄ると脇の草ブラシによる洗礼を受けることになってしまうので、限界だ。何気に草でボディが擦られると細かい線傷が無数に付いてしまう為、どうしても寄らなければいけない時は車速を落とすか停止することにしている。
今回も一旦停止し、対向車が脇を抜けてくれるのを待った。草による被害は最小限に留めておきたいからな。
カッチョイイライダー
ストレートの道で対向車をやり過ごして十数秒後、今度はライダーがいた。どうやら愛車(バイク)を停めて、記念撮影をしているようだ。
確かにこんなのどかで景色も天気も良いし、一人気ままにバイクで風を切るというのは爽快なのだろうな。
でも、カメラの向けている方向がちょっと勿体無いとも感じる。せっかくなら、右後ろに見えている燧ヶ岳の方が良いと個人的には思った。愛車を撮影する場所は人それぞれだし、僕が意見出来ることではないけども。
ところで、最初ライダーは正面を向いて、つまりこちら側を向いてしゃがんでいた、それが
脇を通過する直前になると斜め後ろの方へと視線をやっている。バツが悪いと思ったのかは分からないが。その視線の移動がちょっと面白くも思ってしまった。
「真」樹海ライン
農地のある場所を過ぎると本格的に森深くなってくる。そう、この樹海ラインは終盤になってようやく「ほんとに樹海ラインらしい景色」になるのである。
木々で薄暗く、太陽が木漏れ日となっていた。モノホン樹海ラインの随分遅いご登場と言えなくもないが、言ってみればトリ、ラスボスみたいな感じか。
とはいえ、特段走り辛いという訳でも無い。荒れている路面はあるが、TTにとって鬼門の段差が少ないので、それだけでも圧倒的に楽だ。ラスボスと銘打っておきながら楽というのもいささか矛盾を感じるが・・・。
おーし・・・対向車が来たぞ・・・。今回に至っては路肩が無い。寄り過ぎればこちら側は崖、あちら側はコンクリートブロックにガリガリされてしまう。
はてさて、目算ではすれ違える幅員と踏んだが・・・
向こうも相当手慣れていると見える。躊躇が無い。ナンバーは「このままずーっと進むとある北関東の餃子で有名な県の平仮名で書かれた地名」から来た車で、狭いところも慣れているのだろう。というか、こんなとこに来るのだから慣れていて当然なのかな。
クリア。まあこんな狭い道で離合ばかり経験しているのだから、いつの間にか随分慣れてしまうというものだ。
祝☆福島県入り
さて、尾瀬までもう少しだ。疲れで途切れる集中力を保とうと必死に自分を奮い立たせながら巡行していく。
すると左側に一本の看板が。
書かれている文言こそ「路肩注意」という至って酷道ではありきたりなものであるが、
「福島県」
しっかりはっきり、下に書かれているでは無いか!県境の青看板こそ見逃してしまったが、これで今自分は福島県入りしていることを再認識した。
話は若干逸れるが、僕は今まで福島県内をまともに走ったことが無かった。北海道へ車で行く為に青森の八戸港へ向かって東北自動車道で福島を通ったことはあったものの、高速道路は正直、各都道府県内を「見た」とは言えない。初の新潟県入りに続き、実質初の福島県入りも果たした訳だ。
路肩注意の示しているのは単に簡易バリケードが置かれただけの工事箇所であり、特筆するべきものでは無い。
辿り着いた尾瀬
頭上の木々が消え、明るい青空の広がる景色に変わる。
ん・・・・・・?んむっ!?
お・・・尾瀬だっ!!!
そう、やっと、である。やっと尾瀬に通じる分岐へと辿り着いたのだ。
残り少なくなった九十九折れの味をしっかり噛みしめながらコーナリングする。これを抜けたら国立公園が僕を待っているんだ。
右手の赤丸で囲った箇所に御池ロッジが見て取れる。こんな大きな建物を見るのも随分久し振りな気がしてならない。番外編で寄り道した奥只見シルバーラインから先にある奥只見ダムを除けば、新潟県側の小出らへんぶりなんじゃなかろうか。
現在地は区間⑥の終点で尾瀬への入口でもある場所だ。
尾瀬との分岐点に掲げられた青看板。
直進すればそのまま最後の樹海ライン区間を経て檜枝岐、南会津。右折すれば尾瀬と御池のある福島県道1号線。この県道は群馬県道とも供用されており、正しくは群馬県道・福島県道1号沼田檜枝岐線と呼ぶそうである。唯一群馬県と福島県を結ぶ道路にもなっている。
そのまま尾瀬駐車場へと入場し、車を停め、尾瀬沼へと移動する。上述の1号線は自然保護の目的からマイカー規制がされており、尾瀬沼に行くには専用の有料バスか徒歩で沼山峠に行き、そこから更に徒歩で進むしか方法が無い。
歩くには少々時間が足りなかった為、大人しくバスに乗って沼を目指した。
尾瀬沼に咲くレンゲツツジ。沼の奥に顔を出している山は燧ヶ岳で、標高2356m、日本百名山にも指定されている福島県の火山である。
こちらはニッコウキスゲ。百合科の植物で若葉や蕾は食べられるそうだ。レンゲツツジ、ワタスゲと共に尾瀬を代表する植物の一つ。
ワタスゲの群落と尾瀬沼と燧ヶ岳。逆光がキツイ上に霞も酷かった為、思うような撮影が出来なかったのが少々心残りである。
ひとまずこれにて樹海ラインの大部分は終了したが、最後の区間⑦が残っている。そこまで走れば晴れて樹海ライン全走破だ・・・!
区間⑦へ続く・・・
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